酒は生き物――島根最古の酒蔵が醸す日本酒

長い一日の終わりに晩酌を楽しむ人は多いでしょう。
おいしい料理を用意して、好きなお酒を飲むのは至福のひとときです。
ビール、焼酎、ワイン、ウイスキーなどいろんなお酒がありますが、今回は日本酒をご紹介します。

創業420年、島根県内で一番歴史の古い酒蔵「右田本店」のお酒「宗味(SOUMI)」です。

酒は生き物――右田本店の酒造り

酒は「米」「水」「自然」、そして「人」から生まれてきます。
酒は生き物。
蔵人は酒造期の間、寝食をともにし、心を一つに酒造に励みます。
湯気が濛々と立つ早朝、活気づく蔵。杜氏の指示の下、手際よく動く蔵人。絶え間ない作業が続きます。

お酒ができるまで

精米・蒸米

酒造りは玄米を精米し、洗って水に浸す(浸漬)ことから始まります。
十分に水分を吸った酒米を「甑(こしき)」と呼ばれる大きな蒸籠に入れて、高温の蒸気で一気に蒸しあげます。

蒸米に麹菌を植えて麹を作ります。
麹は酒母(もと)・もろみに入れて米のデンプンを糖化していく役割を果たします。

酒母(もと)

酒母は、蒸米・水・麹に酵母を加えたもので、もろみの醗酵を促す酵母を大量に培養したもの。
日本酒造りには良い酵母が大量に必要ですから、文字通りまさに「酒の母」といえます。

仕込み

ここで日本酒造りの特徴である3段階に分けて仕込みをする「段仕込み」が行われます。
1日目は「初添え」。翌日は仕込みはお休み。
酵母はゆっくりと増えていきますが、これを「踊り」といいます。
3日目に2回目の仕込み「仲添え」をし、4日目に3回目の仕込み「留添え」をして、仕込みは完了。
段仕込みは、雑菌の繁殖を抑えつつ酵母の増殖を促し、もろみの温度管理をやり易くするための独得の方法です。

もろみ

いよいよ、この酒母に麹、蒸米、水を加えてもろみを仕込みます。
お米が融けて、麹の力によってデンプンが糖分に変わり(糖化)、 さらにこの糖分が酵母の力でアルコールに変わる(醗酵)という2つの作用が同時に進行して(並行複醗酵)、次第にアルコール度数が高くなります。
この液体を醪(もろみ)といい、普通酒は約20日間、 吟醸酒は約1ヶ月間で醗酵を終えます。

新酒誕生

醗酵を終えたもろみは、圧搾機で搾られ、酒と酒粕に分けられます。
搾りたての新酒は、ろ過、加熱(火入れ)され、そして貯蔵されます。
また、製成後、一切加熱処理をしないお酒を「生酒」といい、製成後、加熱処理をしないで貯蔵し、出荷の際に加熱処理するお酒を「生貯蔵酒」といいます。
精米から、並行複醗酵、段仕込みというとても複雑な工程を経て、約60日間をかけて日本酒は誕生するのです。

右田本店のお酒を楽しむ際は、「ああ、あの蔵で醸した酒なんだなぁ……」なんて想像しながらお楽しみください。

美しい自然の恵みが生きた酒「宗味(そうみ)」

 

宗味の故郷、益田(ますだ)は、歌聖「柿本人麻呂」、画聖「雪舟」がこよなく愛した地です。
右田本店の「宗味」の名は、始祖右田右京亮隆正の法号「恩誉宗味」から命名したもの。始祖はもともと周防の豪族大内氏の末裔に当たり、石州益田に下り、1600年(慶長5年)七尾城主益田氏の転封による町の衰微を見て、その繁栄を取り戻すために、近在から物資と顧客を集めて市(いち)を始めたところ、これが庶民に愛され、「宗味市」と呼ばれるようになりました。
以後、宗味市は益田経済の生命線として、永く昭和初期まで続きました。
一方、家業として清らかな良質の湧水と稔り豊かな風土に着目し、1602年(慶長7年)、酒造りを開始したといわれ、以来400余年の星霜を経てきました。
こうした伝統と、右田本店独自の技術を基にした、原料米の精選から庫内の手入れに至るまでの肌理細かい手造りの成果は、口あたりや香気の良さだけでなく、美しい自然の恵みが生きた酒に仕上がっています。

ご自宅用にはもちろん、大切な人へのギフトとしてもおすすめのお酒です。

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