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2024年12月にユネスコの世界遺産登録から25周年を迎えた栃木県日光。東照宮をはじめとする歴史的な社寺群が存在するだけでなく、四季折々の美しい自然景観や、豊富なご当地グルメが楽しめる魅力的な観光地です。
そこで今回は、2023年7月のデビューから乗車人数が100万人を超えた東武鉄道の新型特急「スペーシアX」を活用し、より快適で新しい日光の旅の楽しみ方を提案します。スペーシアXの詳細については、以下の記事でチェックしてください!
日光世界遺産の見どころと写真スポット
歴史的背景と文化的価値
日光の社寺(二社一寺)は、「日光東照宮」「日光山輪王寺」「日光二荒山神社中宮祠」から成り、1999年12月に世界文化遺産に登録されました。
日光は8世紀以来の山岳信仰の地で、男体山・女峰山などの神霊を祀る二荒山神社、江戸幕府創建者・徳川家康を祀る東照宮、そして1200年以上にわたり法灯を伝える輪王寺という 「二社一寺」 を中心に発展してきました。このエリアには国宝9棟、重要文化財94棟、計103棟もの歴史的建造物が現存し、樹齢360年以上の杉木立に囲まれた荘厳な文化的景観を形成しています。ユネスコも「貴重な建造物が100棟以上あることや、周辺の自然と一体化して独特の景観を作り出している」としてその普遍的価値を評価しています。
日光東照宮 ~徳川家康を祀る豪華絢爛な聖地~
日光東照宮は、徳川初代将軍・徳川家康公を祀る神社です。家康の死後、遺命により1617年に日光に小さな廟が創建され、1636年(寛永13年)には孫の三代将軍家光により大規模な造替(「寛永の大造替」)が行われました。全国から集められた延べ454万人の名工がわずか1年5か月で工事を成し遂げ、現在目にする絢爛豪華な社殿群が完成したのです。設計総奉行は宮大工の名手・甲良宗広で、建築装飾技術の粋を集めた堂塔はまさに江戸工芸の最高傑作とされています。
境内には国宝の「陽明門」をはじめ8棟の国宝建造物と三猿や眠り猫などの精巧な彫刻で彩られた建築群が立ち並び、その極彩色の美しさは見る者を圧倒します。特に陽明門はあまりの美しさに「日暮(ひぐらし)門」の異名を持ち、一日眺めていても飽きないと言われます。徳川将軍家の権威の象徴であった東照宮は、江戸時代を通じて将軍や大名、庶民がこぞって参詣し、「お伊勢参り」の流行で日光の地位と経済も大いに高まりました。明治維新後の神仏分離を経ても東照宮の宗教的・歴史的価値は損なわれず、現在も春秋の例大祭では伝統の武者行列や流鏑馬が奉納されるなど、文化遺産として生き続けています。
日光山輪王寺 ~勝道上人ゆかりの仏教寺院~
輪王寺は766年、日光を開山した勝道上人(しょうどうしょうにん)によって創建された寺院です。日光三山(男体山・女峰山・太郎山)の神霊を本地仏として祀る役割を果たし、山岳信仰と天台宗が融合した宗教空間の中心でした。徳川家康・家光も輪王寺を厚く保護し、天海僧正に命じて堂塔を整備させたため、東照宮と一体となって壮大な宗教都市を形成しました。輪王寺の中心堂宇である「三仏堂」は日光最大の木造建築で、高さ7.5メートルの金色の仏像「千手観音(男体山の本地仏)」「阿弥陀如来(女峰山)」「馬頭観音(太郎山)」を安置しています。また輪王寺には徳川家光公の廟所である大猷院霊廟(だいゆういんれいびょう)も含まれ、東照宮とは対照的に落ち着いた金黒調の意匠で造営されています。大猷院では家光が「祖父・家康の東照宮より目立たぬように」と意図して造営させたと言われますが、それでも極彩色の装飾が施されており見応えがあります。輪王寺境内の逍遥園という日本庭園も江戸時代の名園として知られ、紅葉の名所です。
二荒山神社(日光二荒山神社)~古代からの山岳信仰の社~
二荒山神社(ふたらさんじんじゃ)は、勝道上人が767年に社を創建したのが始まりとされる古社で、男体山・女峰山・太郎山など日光の山々を神体山として祀っています。古くは「日光三社権現」として輪王寺と一体化し、神仏習合の霊場として栄えました。東照宮建立後の1617年、現在地に社殿が移築されて整備され、現存する社殿の多くは再建です。二荒山神社は豪華な東照宮とは趣を異にし、老杉に囲まれた厳かな雰囲気が漂います。また、神橋(しんきょう)と呼ばれる朱塗りの木造橋も二荒山神社の一部で、山内への入口に架かる神聖な橋として古くから皇族や将軍のみが渡ることを許されていました。この神橋は長さ28mの優美な太鼓橋で、川の急流と朱塗りのコントラストが見事な景観を生み出しています。二荒山神社は山岳信仰の伝統を今に伝える貴重な神社であり、日光の自然崇拝の原点とも言える存在です。
最新の修復プロジェクト
世界遺産の日光社寺では、その華麗な建造物を後世に伝えるため、大規模な修復事業が随時行われています。昭和期には1950~1980年代にかけて「昭和の大修理」が行われ、40棟以上の社寺建築を徹底修繕しました。さらに近年は「平成の大修理」と称する長期修復計画が進行し、老朽化した社殿の漆や彩色の塗り直し、木部補修などが段階的に実施されています。
東照宮・陽明門の修復
「平成の大修理」として、2013年(平成25年)から約4年かけて国宝・陽明門の大修理が行われました。この工事では伝統技法を用いながら漆塗りや極彩色の彩色を一新し、金具も補修されています。修復後、陽明門は創建当時に迫る絢爛さを取り戻し、2017年春からその姿が一般公開されました。現在、陽明門を含む社殿群は定期的な維持管理のもと、金箔や極彩色が輝きを放っています。
輪王寺・三仏堂の修復
輪王寺の三仏堂(本堂)も平成の大修理の一環として13年に及ぶ改修工事が行われ、2020年に修繕完了しました。長らく外観を覆っていた素屋根(覆屋)が撤去され、巨大な木造建築と黄金の仏像群が姿を現しています。三仏堂内部は新調された漆箔や彩色が施された状態で拝観でき、その規模と荘厳さをより実感できるようになりました。
その他の修復
二荒山神社の社殿や神橋についても、1990年代から2000年代にかけて修繕工事が実施されました。神橋は明治時代の1902年に洪水で流失後、1904年に再建されましたが、直近では1997~2005年頃にかけて耐久性向上のための修復が行われています。また東照宮では本殿・拝殿・石の間といった主要部の修理も順次実施されており、2025年現在も計画的保存修理が続けられています。これらの継続的な取り組みにより、日光の文化遺産は創建時の輝きと構造を可能な限り保ちつつ、後世に受け継がれています。
写真映えするスポットと撮影アドバイス
歴史深い日光の社寺は、どこを切り取っても絵になるフォトジェニックなスポットばかりです。ここでは特に人気の撮影スポットと、ベストな撮影時間帯・アングルのポイントを紹介します。
陽明門(東照宮)
日光東照宮を象徴する国宝の豪華門。白と金を基調に極彩色の彫刻がびっしり施された姿は圧巻で「これぞ日光!」という写真が撮れます。午前中から正午にかけて日差しが門正面に当たる時間帯がおすすめです。広角レンズで正面全体を収めるとスケール感が伝わり、門の迫力を表現できます。細部の彫刻をクローズアップして撮れば、豪華な装飾美も際立つでしょう。修復後は彩色が鮮やかによみがえっているので、晴天時には青空とのコントラストが映えます。観光客が多いスポットでもあるため、開門直後の朝一番や冬季のオフシーズンに訪れると人混みを避けてじっくり撮影できます。
五重塔(東照宮)
東照宮入口に建つ朱塗りの五重塔も人気の被写体です。高さ約36mの塔を見上げるように撮ると壮麗さが強調されます。周囲の杉木立と一緒にフレームに収めれば、日本的な情緒が感じられる一枚に。朝方や夕方の斜光を利用すると塔の立体感が増し、美しい朱色が浮かび上がります。特に秋には周囲の木々が色づき、塔との色彩コントラストが写真映えします。
三猿と眠り猫(東照宮)
東照宮境内で見逃せないのが神厩舎の彫刻「三猿(見ざる聞かざる言わざる)」と、奥社への参道入口の「眠り猫」です。可愛らしい猿の三連彫刻や小さな眠り猫はSNS映え抜群で、寄りで撮影すると細部まで表情豊かな木彫の魅力が伝わります。これらは高さが低めの位置にあるため、スマートフォンでも接近して撮りやすいでしょう。午前中の明るい自然光の下で撮ると陰影が柔らかく出て、彫刻の質感がきれいに写ります。
神橋(しんきょう)
世界遺産エリア入口の朱塗り橋。清流大谷川に架かる神橋は、背景の山林と相まって絵葉書のような風景を作ります。撮影は川下(橋の下流側)の対岸から望遠気味に狙うと、橋が背景の自然に浮かぶ構図になり美しいです。朝の柔らかな光の時間帯なら橋全体に均等に日が当たり、鮮やかな朱色が際立ちます(逆光を避けるためにも午前中がベター)。晴天時は川面に映る橋の映り込みも狙えるほか、雨上がりや霧の日には幻想的な雰囲気に。秋は紅葉、冬は雪化粧との組み合わせで季節感あふれる写真が撮れるスポットです。
輪王寺逍遥園
輪王寺の日本庭園「逍遥園」は四季折々の景観が楽しめ、池泉回遊式庭園なので池を中心に様々な角度で撮影できます。紅葉期の日中は赤や黄に染まるカエデが池に映り込み、鮮やかな秋色のグラデーションが広がります。夕方の柔らかい光や、無風の朝に水鏡を狙ってみるのもおすすめ。さらに期間限定でライトアップも行われ、夜は淡い光に照らされた紅葉が水面に映る幻想的な写真が撮影できます。ライトアップ時は三脚使用が一部時間帯で許可されていますが、混雑状況によるので事前確認をすると良いでしょう。
日光のおすすめ観光プラン
スペーシアXで東京・浅草から行く、日帰り&1泊2日の旅プランを立ててみました。
日帰りプラン「じっくり巡る世界遺産の旅」
【行き】
08:00頃 浅草駅発
約1時間50分前後の乗車を想定
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09:50頃 東武日光駅着
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【午前:世界遺産エリアへ移動・見学】
10:00頃 バス乗車 → 10:15頃 神橋付近到着
東武日光駅バス乗り場から世界遺産エリア(神橋・東照宮方面)へは10~15分ほど。
観光シーズンは乗車待ちが出る可能性あり。
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10:15~10:45頃 神橋見学
日光山内の入口に架かる朱塗りの橋。大谷川(だいやがわ)の清流とのコントラストが美しい。
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【10:45~12:45頃 日光東照宮参拝】
陽明門や三猿、眠り猫など、見どころ多数。
国宝や重要文化財の建造物が集積しており、じっくり拝観すると2時間はかかることも。
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【12:45~13:45頃 昼食(門前町エリア)】
日光名物「湯波(ゆば)」料理が人気。湯波丼や湯波そばなど多彩。
門前町にはお土産屋や食事処が並ぶため、散策しながら好みの店を探すのも楽しい。
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【13:45~15:15頃 輪王寺参拝】
三仏堂(日光最大級の木造建築)や名園「逍遥園」を拝観。
修復を終えたばかりの堂宇や荘厳な仏像群を間近で見学。
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【15:15~16:45頃 二荒山神社参拝】
男体山・女峰山を祀る山岳信仰の中心地。
静かな社殿や老杉に囲まれた参道が印象的。
時間に余裕があれば神社周辺で甘味やお土産探しも楽しめる。
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【16:45~17:15頃 お土産購入・駅へ移動】
門前町や表参道で日光名物のお菓子や漬物などを購入。17:15頃までにはバスで東武日光駅へ戻るようにすると、特急に余裕をもって乗車できます。
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【帰り】
17:30~18:00頃 東武日光駅発
約1時間50分の帰路
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19:30~20:00頃 浅草駅着
1泊2日プラン「ゆったり日光満喫旅」
【1日目】
09:00頃 浅草駅発 → 10:50頃 東武日光駅着
1時間50分前後の乗車を想定
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10:50頃 東武日光駅着、ホテルに荷物を預ける
東武日光駅近くのホテルや旅館なら、到着後すぐに荷物を預けられます。
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11:15頃 バスまたは徒歩で世界遺産エリアへ移動
駅から東照宮方面への路線バスは比較的本数が多いですが、混雑時は乗車まで待つこともあるため時間に余裕を。
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11:30~16:30頃 世界遺産エリア散策
●日光東照宮(所要約2時間)
・陽明門、三猿、眠り猫などを見学
・昼食(門前町で湯波料理など)
●日光山輪王寺(所要1時間~1時間半)
・三仏堂、逍遥園を拝観
●日光二荒山神社&神橋
・時間と体力に応じて参拝&撮影
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16:30頃 ホテルへ戻る・チェックイン
ホテルが駅近くの場合はバスまたは徒歩で戻る。夕方のバスは混雑しやすいので注意。
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夜:日光の郷土料理や湯波懐石を楽しむ
ホテルのレストランや周辺のお店で夕食をゆっくり堪能。
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【2日目】
07:30~08:00頃 チェックアウト(または荷物預け)&朝食
早めに身支度を整え、朝の観光時間を確保。
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08:00~09:00頃 朝一番の東照宮参拝(再訪希望の場合)
混雑が少なく写真撮影もしやすいため、初日に回りきれなかった社殿や彫刻をじっくり見るのもおすすめ。前日に東照宮を充分見学した場合は、ホテルでゆっくり朝食を取る、朝の散策にあてるなど自由にアレンジ可能です。
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09:00~11:30頃 奥日光エリア散策
・09:00頃 世界遺産エリアや日光駅近くからバスで約40分
・09:40~11:00頃 中禅寺湖畔散策・華厳の滝見学
・11:00~11:40頃 バスで日光駅方面に戻る
時間に余裕がある場合: いろは坂の紅葉(秋季)など、途中下車して景色を楽しむのも良いでしょう。
短縮したい場合: 奥日光は広範囲なので、滝や湖をざっと見るだけでも役1~2時間は必要。余裕をもった行程が望ましいです。
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12:00頃 昼食&荷物ピックアップ
バスを降りたらホテルや駅で荷物を受け取り、そのまま昼食へ。
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12:30~13:00頃 バスまたはタクシーで東武ワールドスクウェアへ移動。日光駅周辺から東武ワールドスクウェアまではタクシー・バスで30分前後。
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13:00~15:00頃 東武ワールドスクウェア見学
園内には世界や日本の有名建築が100点以上。写真撮影にも最適。食事がまだなら園内レストランでランチ可能。
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15:30頃 東武ワールドスクウェア駅発 → 17:40頃 浅草駅着
※スペーシアXの運行状況は公式サイトで事前にチェックしてください⇒新型特急スペーシア X(SPACIA X)時刻表
日光旅行のポイント
・新型特急スペーシア X(SPACIA X)は全席指定のため早めの予約がおすすめ
・移動は東武鉄道が提供する鉄道・バスをセットにしたフリーパス「NIKKO MaaS」がお得(事前購入で当日スムーズに観光可能)
・二社一寺は季節により開門・閉門時間が異なるため、事前確認が必要
・写真撮影は朝一番がおすすめ(特に陽明門、神橋)
・雨天の場合は逍遥園の水鏡など、雨ならではの写真スポットに変更
・季節により日没時間が異なるため、特に冬季は行程を30分程度前倒しするのがおすすめ
まとめ
日光の魅力は、歴史的価値のみならず視覚的な美にも表れています。それぞれのスポットで由来や文化を感じながら撮影すれば、旅の思い出とともに魅力的な写真が残せるでしょう。世界遺産登録25周年を迎えた今、修復で蘇った華麗な社寺と日光の四季が織りなす景観をぜひ堪能してください。
【参考サイト】※最終アクセスはすべて2025年2月14日
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世界遺産「日光の社寺」 | とちぎ旅ネット〜栃木の観光旅行情報サイト
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