山手線とは別物!複雑すぎる大阪環状線の注意点と対策

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古くから商業の街として発展してきた大阪。人口800万人を超える西日本の中心都市で、国内外問わず人気の観光地でもあります。
大阪・関西万博も近づいているので、この機会に大阪に行こうという人も多いはず!
そこで今回は、大阪の街を観光するのに欠かせない鉄道「大阪環状線」について調べてみました。
大阪環状線は大阪の都心部外周を環状運転している路線なので、関東圏の人は山手線を想像するかもしれませんが、山手線と大阪環状線は似て非なるものです。
旅に出るとき、あらかじめ旅先の観光名所や地元グルメのお店の下調べをする人も多いでしょう。ですが、大阪旅行ではまず大阪環状線の乗り方を確認しておきましょう。山手線と同じ感覚で乗ってしまうと、大阪旅行が奈良旅行や和歌山旅行になってしまう可能性があるからです。

大阪環状線とは?

大阪環状線とは、その名の通り、大阪都心部を囲むようにぐるぐる環状運転するJR西日本の路線です。
天王寺駅を起点とし、京橋駅、大阪駅、西九条駅などを経由して終点の新今宮駅まで走っています。
沿線には、大阪城公園、京セラドーム、通天閣、大阪市天王寺動物園など大阪の観光名所もたくさんあるので、地元民はもちろん、旅行者も多く利用する路線です。

大阪環状線は1周何キロ?所要時間は?駅の数は?

大阪環状線は1周21.7キロメートル、所要時間は約40分、駅の数は19駅です。
同じく東京都内の中心部を環状運転するJR東日本の山手線は、1周34.5キロメートル、所要時間は約1時間、駅の数は30駅なので、山手線と比べると大阪環状線のほうが円が少し小さいことがわかります。

JR西日本「大阪環状線 列車走行位置」

大阪環状線に乗るときに注意すること5選

大阪環状線は、初めて乗る人には難しい路線です。
「環状線なんだから山手線と同じでしょ」「外回りと内回りだけ気をつければいいんでしょ」と考えている関東圏からの旅行者は、とくに注意が必要です。

大阪環状線の路線図。乗り入れ路線の路線記号(アルファベット)とラインカラーを覚えておくと乗り間違いを防げます。※大和路線はJR難波駅まで繋がっていますが上図では割愛します(SBIふるさとだより作成)

注意点1:大阪環状線には外回りと内回りがある

大阪環状線には外回りと内回りがあります。
この点については山手線と同じですが、外と内を勘違いしないように気をつけましょう。
日本の鉄道は左側通行が原則となっているため、円の外側が外回り(時計回り)、円の内側が「内回り(反時計回り)」となります。

注意点2:大阪環状線なのに環状運転しない列車が走っている

山手線は一部区間を除き、ほとんどの区間で専用の独立複線上を走っています。
大崎止まりや池袋止まりなどの車庫行きの列車に乗らない限りは、外回り・内回りを間違えて乗ってしまっても、必ず目的駅に着きます。
一方、大阪環状線は「環状運転しない列車」も多く走っています。

注意点3:大阪環状線は他路線の快速列車も走っている

山手線は各駅停車のみで、列車は車庫に入るまで周回を続けます。
一方、大阪環状線は環状運転する普通列車以外に、他の路線に直通する快速列車や普通列車など、複数の乗り入れ列車も走っています。
注意点2で書いた「環状運転しない列車」とは、これらの列車を指します。

大阪環状線に乗り入れている路線と快速列車の名前

大阪環状線には、主に天王寺駅から和歌山方面へ行く「阪和線」、奈良方面へ行く「大和路線(関西本線)」、西九条駅から桜島駅へ行く「JRゆめ咲線(桜島線)」が乗り入れていて、それぞれの路線の快速列車には名前が付いています。※JRゆめ咲線(桜島線)は普通列車です

和歌山方面へ行く阪和線「紀州路快速」

阪和線の紀州路快速は、天王寺駅を起点とし、大阪環状線の内回りを1周して天王寺駅に戻った後、和歌山方面へ向かいます。
また、和歌山方面だけでなく、途中の日根野駅から関西空港駅に向かう関西空港線(関空快速)にも乗り入れています。※関空快速は紀州路快速と一部同じ区間を連結して走る場合があります。その際は駅構内やホームの発車標、車両に設置されている方向幕(種別表示幕)などに「関空・紀州路快速(関空/紀州路快速)」と表示されます

奈良方面へ行く大和路線(関西本線)「大和路快速」

大和路線(関西本線)の大和路快速は、天王寺駅を起点とし、大阪環状線の内回りを1周して天王寺駅に戻った後、奈良方面(一部は京都府の加茂)へ向かいます。

桜島駅へ行くJRゆめ咲線(桜島線)※普通列車

JRゆめ咲線(桜島線)は普通列車で、西九条駅から約4.7キロメートル先の桜島駅まで向かいます。
途中にはUSJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)の最寄り駅「ユニバーサルシティ駅」があります。
2025年に開催される大阪・関西万博の公式キャラクター「ミャクミャク」が車体にデザインされたラッピング列車も走っています。

紀州路快速、大和路快速は、大阪環状線の野田駅・芦原橋駅・今宮駅を通過するので注意が必要です(直通快速や区間快速など、3駅を通過せず環状線内は全駅に停まる快速列車も一部あります)

注意点4:大阪環状線には途中で行先が分かれる列車が走っている

注意点3で書いた「関空・紀州路快速」に乗るときに気をつけたいのが乗車車両です。
「関空・紀州路快速」は、前より4両が関西空港駅行き(関空快速)、後ろより4両が和歌山行き(紀州路快速)の車両となっていて、途中の日根野駅で切り離されます。
関空に行きたいのに後ろより4両の車両に乗ってしまうと和歌山へ連れていかれます。「飛行機の時間に間に合わない!」なんてことにならないよう、必ず何号車か確かめて乗りましょう。

注意点5:大阪環状線は普通列車と乗り入れ列車の車両が同じことがある

大阪環状線に乗り入れる他路線の列車のほとんどが、環状運転する大阪環状線の普通列車の323系とは異なる車両です。なので、慣れてしまえば車両を見てどこ行きなのかわかるようになります。
ところが、JRゆめ咲線(桜島線)だけは、大阪環状線の普通列車と同じ323系の車両です。同じ車両なのに行先が違う列車が走っているので、やはり車両だけで判断するのは危険です。必ず行先を確認しましょう。

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大阪環状線の乗り間違いを防ぐ対策2選

大阪環状線で乗り間違いを防ぐには、路線記号(アルファベット)とラインカラーを覚えておきましょう。

  路線記号 ラインカラー
大阪環状線 O
阪和線 R オレンジ
関西空港線 S
大和路線(関西本線) Q
JRゆめ咲線(桜島線) P

対策1:路線記号を覚える

大阪環状線で乗り間違いを防ぐには、路線記号(アルファベット)を覚えておくといいでしょう。
路線記号は車両の前面や側面に設置されている方向幕(種別表示幕)に表示されているので、乗車前にチェックできます。

対策2:ラインカラーを覚える

大阪環状線で乗り間違いを防ぐには、ラインカラーも覚えておくと路線図や案内図を見るときに役立ちます。
また、ラインカラーはホームに設置されている駅名標にも使われているので、もし乗り間違えてしまった場合も、途中の停車駅で早い段階で気づくことができます。
ちなみに、大阪環状線の普通列車323系の車両の外側にはオレンジ色のラインが入っていますが、これは大阪環状線のラインカラーではありません(大阪環状線のラインカラーは赤です)。阪和線のラインカラーのオレンジと間違えないように気をつけましょう。

グルメ、歴史、テーマパーク、魅力にあふれた街・大阪を100%楽しむためには、まず移動手段となる大阪環状線をマスターするところから始めましょう!

【参考サイト】

JR西日本「大阪環状線 列車走行位置」(最終アクセス2024年3月1日)

JR西日本「路線図:停車駅案内」(最終アクセス2024年3月1日)

ジョルダン「天王寺駅(阪和線 和歌山方面)の時刻表」(最終アクセス2024年3月1日)

ジョルダン「天王寺駅(大和路線 大阪・JR難波方面)の時刻表」(最終アクセス2024年3月1日)

PR TIMES「大阪環状線、JRゆめ咲線に大阪・関西万博ラッピング列車が走ります!(西日本旅客鉄道株式会社のプレスリリース)」(最終アクセス2024年3月1日)

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