冬祭り・秩父夜祭2023は屋台×笠鉾×花火の豪華なコラボ!

日本には美しい季節ごとのお祭りがたくさんあります。冬の訪れとともに開催される「秩父夜祭(ちちぶよまつり)」は、豪華な笠鉾(かさぼこ)に屋台、寒空を彩る花火など、壮大な規模と迫力あるパフォーマンスで全国的に知られるお祭りです。
そこで今回は、秩父夜祭の歴史、見どころ、スケジュール、アクセス方法などについて詳しく紹介します。

【ユネスコ無形文化遺産】秩父夜祭は日本三大曳山祭のひとつ

秩父夜祭は、埼玉県秩父市にある「秩父神社」の例祭です。毎年12月3日が大祭(前日の12月2日が宵宮)で、京都祇園祭、飛騨高山祭とともに日本三大曳山祭に数えられています。
300年以上の歴史を持つ秩父夜祭は国の「重要有形・無形民俗文化財」やユネスコの「無形文化遺産」として指定されていて、地元の人たちからは「冬まつり」「夜まつり」と呼ばれ、親しまれています。

秩父神社の祭神

秩父神社の創建は2000年前といわれ、四柱の神々を祀っています。

八意思兼命(やごことおもいかねのみこと)

政治・学問・工業・開運の祖神

知知夫彦命(ちちぶひこのみこと)

秩父地方開拓の祖神

天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)

北辰妙見として鎌倉時代に合祀

秩父宮雍仁親王(ちちぶのみややすひとしんのう)

昭和天皇の弟宮様、昭和28年に合祀

秩父夜祭のはじまり

300年以上続く秩父夜祭のはじまりは、江戸時代から秩父地域で盛んだった「養蚕業」に関係しています。

江戸時代中期、秩父神社周辺に立った絹織物の市、「絹大市」(きぬのたかまち)の経済的な発展と共に盛大に行われるようになり、付け祭り(神社神事に付随する民間行事。神賑:かみにぎわいともいう。)としての屋台行事の始まりは、寛文年間(1661~73年)とも享保年間(1716~36年)とも伝わっています。
引用:秩父まつり会館「秩父夜祭」(最終アクセス2023年10月11日)

秩父夜祭は「冬版 七夕伝説」?

秩父夜祭には、秩父神社の祭神である妙見様と、秩父の名山「武甲山」の男神の、まるで七夕伝説の織姫と彦星のような物語があるといわれています。

現行十二月三日の夜祭をめぐっては、今でも地元に語り伝えられる微笑ましい神話があります。それが語るには、神社にまつる妙見菩薩は女神さま、武甲山に棲む神は男神さまで、互いに相思相愛の仲であります。ところが残念なことに、実は武甲山さまの正妻が近くの町内に鎮まるお諏訪さまなので、お二方も毎晩逢瀬を重ねるわけにもゆかず、かろうじて夜祭の晩だけはお諏訪さまの許しを得て、年に一度の逢引きをされるというものです。

引用:秩父神社「秩父夜祭」(最終アクセス2023年10月11日)

秩父夜祭のシンボル!4基の屋台と2基の笠鉾

秩父夜祭でぜひ見たいのが絢爛豪華な山車です。山車は屋台が4基と笠鉾が2基で、国の重要有形民俗文化財に指定されています。

勇壮な秩父屋台囃子を打ち鳴らし、初冬の街中を曳き廻される山車は、笠鉾(かさぼこ)2基と屋台4基。『動く陽明門』と言われるほど豪華絢爛で、昭和37年には国の重要有形民俗文化財に指定されました。

「笠鉾」は中近(なかちか)と下郷(したごう)の2基で、神霊の依代としての要素を供えており、その構造は土台の中央から長い真柱を立て、3層の笠を立てます。緋羅紗の水引幕を吊り、造り花を放射状に垂らしています。しかし、笠鉾の巡行路上に明治44年には電話線が、大正3年には電線が架設されたため、笠鉾本来の姿での曳行はできなくなり、秩父夜祭当日には屋形姿で曳いています。

「屋台」は宮地(みやじ)・上町(かみまち)・中町(なかまち)・本町(もとまち)の4基で、当番形式で屋台歌舞伎を上演します。その際に屋台本体の左右に張出舞台という付け舞台を加え、間口を広げ、芸座・仮芸座や花道などが設けられます。

引用:秩父まつり会館「秩父夜祭」(最終アクセス2023年10月11日)

秩父神社の笠鉾と屋台が江戸幕府に禁止されていた!

今日では秩父夜祭の主役となっている笠鉾と屋台ですが、江戸時代には庶民の風紀を乱すとして禁止されていた時期がありました。ですが、秩父の6地区は政府に抵抗し、禁止令が解除されるまで開催し続けました。
300年後の現在も秩父夜祭が続いているのは、この時代に政府と戦った秩父の人たちがいたからといえるでしょう。

今では夜祭のシンボルとなった6基の山車は、17世紀半ばまたは18世紀初頭に始められたが、違法とされていた時期が数年間あった。江戸時代後半に、庶民の風紀を乱すとみなされたことから、幕府は山車の巡行や屋台歌舞伎といった夜の文化を厳しく制限したのである。1827年以降、宗教的な祭りは完全に禁止された。秩父の6地区は政府の制限措置に抵抗し、禁止令が解除されるまでの50年間、ある年には3つの地区で、別の年には他の3つの地区で例年祭を開催し続けた。今日では、祭りの期間中に曳き回される6つの山車がこれらの6つの町を代表している。山車は、伝統的な日本の木材建具技術を使用して作られており、釘が一本も使われていない。

引用:秩父神社内秩父夜祭 秩父神社内秩父夜祭の歴史・由来|検索詳細|地域観光資源の多言語解説文データベース

笠鉾と屋台の種類

中近笠鉾

総体黒漆で、随所に金具を打ち、鬼板、懸魚(げぎょ)、妻飾りなど極彩色の彫刻を飾った宮殿風な構え。勾欄(こうらん)の丸彫金箔押の龍や内室の二十四考の彫刻は見どころ。

下郷笠鉾

6基の笠鉾・屋台の中で最も大きく、重量もある。白木で仕上げられた本体に金の飾り金具が神々しさをかもす。通常は中近笠鉾とともに笠をはずして曳き廻される。

宮地屋台

秩父屋台のうち最も古く、端正な姿をとどめている。後幕は、想像上の霊獣。猩猩(しょうじょう)。水引幕は飛鶴の刺繍である。

上町屋台

屋根の4台の屋台の中で最も大きい。軒の出も多く華麗な屋台である。牡丹に唐獅子の水引幕、鯉の滝昇りの後幕の刺繍も見事。

中町屋台

屋台の前後を飾る鬼板は、4台の屋台の中で最も大きい。その彫刻は、店の岩戸開きやスサノヲノミコトの大蛇退治など日本神話を題材にしている。

本町屋台

彫刻や装飾など金箔押しの上に彩色をする贅を尽くした造りとなっている。後幕は玩具を積んだ宝船の刺繍が施され、中央のダルマが特徴的である。

冬の寒空を鮮やかに彩る秩父夜祭の花火

笠鉾と屋台に並び、秩父夜祭を盛り上げるのが花火!
夏のイメージが強い花火ですが、秩父では冬の夜祭の花火が定番。豪華絢爛な笠鉾や屋台と花火の共演は圧巻の美しさです。芝桜で有名な羊山(ひつじやま)から打ち上げられるダイナミックな尺玉やスターマインで寒さを忘れるほどの感動を味わえます。

「秩父夜祭」の日程(スケジュール)をチェック!

秩父夜祭の日程はこちらです。

12月 1日 御本殿清浄の儀 10時~ 御本殿
例祭奉行祈願祭 14時~ 御本殿
2日 御神馬奉納の儀 10時~ 御本殿
新穀奉献祭 11時~ 御本殿
3日 例祭(御本殿の儀) 10時30分~ 御本殿
御神幸祭 17時30分頃~ 秩父市中心街
御旅所斎場祭 22時頃~ お旅所(亀の子石)
4~6日 蚕糸祭 他 - 本殿
御本殿清浄の儀(12月1日 10時~)

例祭に先立ち、御本殿内部の清祓を行います。

例祭奉行祈願祭(12月1日 14時~)

屋台・笠鉾の運行責任者6名が参列し、祭事が無事に行われるよう祈願します。

御神馬奉納の儀(12月2日 10時~)

例祭には例年2頭の御神馬が奉納され、屋台・笠鉾・神輿などと共にお旅所へ向かいます。この神事は鎌倉時代より続くと伝えられ、かつては丹党中村氏によって奉納されていましたが、現在では当社の責任役員をお勤め戴く井上家によって伝統が継承されています。
当日は裃・脇差姿の当主を先頭に、お供の人々が御本殿に昇殿の後、宮司と杯を交わして、例祭に御神馬を奉納する奉告祭を執り行います。

新穀奉献祭(12月2日 11時~)

神饌田をはじめとして、新たに収穫された新穀を大神様に献上する祭典が行われます。

例祭[御本殿の儀](12月3日 10時30分~)

皇室の弥栄と国の隆昌を祈念し、神恩への感謝の誠を捧げるべく、献幣使の参向のもと、大勢の参列者を迎えて厳粛に挙行されます。御本殿内陣にお供えされる神饌は計18台。左右対称の形で各9台がお供えされます。特殊神饌として、山鳥がお供えされることが慣例となっており、この山鳥は祭典終了の後、さいたま市に鎮座する武蔵国一之宮の氷川神社に徹下され、12月10日に行われる同社の大湯祭にお供えされています。

御神幸祭(12月3日 17時30分頃~)

神輿1基・御神馬2頭・大真榊等をはじめとする神社行列を先頭に、中近・下郷の2台の笠鉾と、宮地・上町・中町・本町の4台の屋台が神社行列に続いてお旅所へ向けて出発します。
かつては門前の番場通りを曳きましたが、昭和52年より本町通りを経由してお旅所へ向かうようになりました。動く陽明門とも呼ばれる豪華絢爛な笠鉾・屋台の曳航をはじめ、冬の夜空を彩る打ち上げ花火の競演は、多くの人々を魅了するところとなっています。

御旅所斎場祭(12月3日 22時頃~)

御神幸行列の到着後、厳かに斎場祭が執り行われます。神前では素面で舞う代参宮神楽が奉納され、各屋台では稚児による三番叟が演じられます。

蚕糸祭 他(12月4~6日)

12月4日には養蚕のお祭りである蚕糸祭、12月5日には地元の商工業関係者による交通安全・産業発展祈願祭が行われ、翌12月6日の新穀感謝祭並びに例祭完遂奉告祭をもって例祭の祭事はすべて終了となります。

引用:秩父神社「祭典・神事」(最終アクセス2023年10月11日)

秩父夜祭(秩父神社)へのアクセス

秩父夜祭が行われる秩父神社へのアクセス方法はこちらです。

【秩父神社】
住所:〒368-0041埼玉県秩父市番場町1-3
TEL:0494-22-0262
FAX:0494-24-5596
◆電車
・秩父鉄道秩父駅より徒歩3分
・西武秩父線西武秩父駅より徒歩15分
◆車
・関越自動車道 花園I.C.より約30km
・花園I.C.を降り、国道140号線を秩父・三峰方面へ
・皆野寄居バイパスを利用の場合、約50分
・秩父市内に入り、国道299号線と交差する上野町交差点を右折

【参考サイト】

観光庁「秩父神社内秩父夜祭の歴史・由来」(最終アクセス2023年10月11日)

秩父神社公式サイト「秩父神社」(最終アクセス2023年10月11日)

秩父まつり会館「いつでも見られる秩父夜祭」(最終アクセス2023年10月11日)

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