お雛様にはまぐりを食べる理由|夫婦円満の意味と旬の選び方

ひなまつりの食卓に並ぶ、湯気が立ち上るはまぐりのお吸い物と桃の花
ふわりと香る湯気の中に、春の訪れを感じて。



ひな祭り(ひなまつり)にはまぐりのお吸い物を食べるのは、2枚の貝殻が対になったものしかぴたりと合わない性質から、「一生添い遂げる夫婦円満・良縁」の象徴とされているためです。

平安時代から続くこの風習では、はまぐりに娘の幸せな縁結びの願いが込められています。旬の2〜4月はちょうどひな祭りと重なり、桑名産・鹿島灘産などの国産ブランドが店頭に並ぶ季節でもあります。

世界でたったひとつ、ぴたりと重なる絆

はまぐりがひなまつりに欠かせないのは、「夫婦の絆」を象徴する貝だからです。

はまぐりは、二枚の殻がぴったりと合わさっている二枚貝です。
この貝には、とても不思議な特徴があります。

それは、「もともと対(つい)になっていた貝殻以外とは、決して重ならない」ということ。

他の貝の殻をどんなに合わせようとしても、隙間ができたり、形が合わなかったりします。
このことから、はまぐりは古くから「一生添い遂げる仲の良い夫婦」の象徴とされてきました。

「娘が大人になったとき、世界でたったひとりの運命の人と巡り会えますように」
「そして、いつまでも仲良く暮らせますように」

そんな、親なら誰もが抱く願いをこの貝に託して、ひなまつりの食卓に並べるようになったと伝えられています。

平安貴族も夢中になった「貝合わせ」

平安時代には、はまぐりの特性を利用した「貝合わせかいあわせ」という遊びが流行しました。
内側に美しい絵を描いた貝殻を裏返して並べ、対になる貝を探し当てる、いわば雅な「神経衰弱」のような遊びです。
この遊び道具は、嫁入り道具の一つとしても大切にされたと言われています。

春は「はまぐり」がおいしい季節

はまぐりの旬は2〜4月頃で、ひなまつりの時期は味の面でもまさに食べどきです。

縁起が良いだけでなく、産卵を控えて身がふっくらとし、旨味成分がギュッと詰まる時期でもあります。

また、鉄分やビタミンB12といった、女性に嬉しい栄養も含まれているとされています。
季節の変わり目で体調を崩しやすいこの時期、身体を内側から温めてくれる優しい一杯になります。

おいしいはまぐりの選び方・下処理

3つのポイントを押さえるだけで、新鮮なはまぐりを見分けられます。

スーパーや鮮魚店で選ぶ際は、少しだけ足を止めて、貝の様子を見てみてください。

  • 殻の表面: つやがあり、ぬめりがないもの。
  • 口の様子: 固く閉じているもの(触れた時に素早く閉じるものは元気な証拠です)。
  • 音: 貝同士を軽くカチカチと合わせた時、澄んだ高い音がするものは身が詰まっていると言われます。

砂抜きのコツ

はまぐりは砂を噛んでいることが多いため、調理前の「砂抜き」が大切です。
海水と同じくらいの塩分濃度(水500mlに対して塩大さじ1杯弱)の塩水に浸し、新聞紙などで暗くして、2〜3時間ほど静かな場所に置いてあげてください。
このひと手間が、家族の「おいしいね」につながります。

春の食卓で、温かな記憶を

旬のはまぐりは、この時期ならではの手に届きやすい価格で店頭に並びます。

国産(三重県の桑名くわな産や茨城県の鹿島灘かしまなだ産など)は大粒で風味が豊かですが、手頃な輸入ものも多く出回っています。

大切なのは、産地や値段よりも、家族で食卓を囲み、同じお椀から湯気を吸い込む時間かもしれません。
「この貝みたいに、仲良くね」
今年のひなまつりは、貝殻に込められた願いをそっと添えて、温かいお吸い物を楽しんでみてはいかがでしょうか。

よくある質問

ひなまつりにはまぐりのお吸い物を食べるのはなぜですか?

はまぐりは、もともと対になっていた殻同士でなければぴったり合わないという特性があります。このことから「一生を添い遂げる良縁」の象徴とされ、娘の幸せを願って食卓に並べる風習が平安時代から続いています。

はまぐりの砂抜きにはどのくらい時間がかかりますか?

海水と同程度の塩分濃度(水500mlに対して塩大さじ1杯弱)の塩水に浸し、新聞紙などで暗くして2〜3時間が目安です。静かな場所に置くと、貝が安心して砂を吐き出しやすくなります。

はまぐりの旬はいつ頃ですか?

2月から4月頃が旬です。産卵前で身がふっくらと太り、旨味成分が豊富になる時期にあたります。ちょうどひなまつりの時期と重なるため、味の面でも理にかなった行事食と言えます。

※記事の内容は2026年2月作成時点の一般的な情報を基にしています。

※生鮮食品の価格や入荷状況は、天候や店舗により変動する可能性があります。

SBIグループサービス