2025年の大阪・関西万博、そして 2027年開催の国際園芸博覧会「横浜花博(GREEN×EXPO 2027)」。一見すると「未来社会」と「花と緑」。まったく異なるテーマの博覧会ですが、両者には共通して “未来を持続させるための循環” という理念があります。特に注目されているのが、大阪・関西万博で使用されたパビリオンや建築物を横浜花博へと再利用(リユース)するプロジェクト。
“つなぐ万博”とも呼ばれ、資源を活かし続ける新しい社会モデルを実際の建築を通して示す取り組みです。ここでは、大阪・関西万博から横浜花博へとつながる“建築の旅”の物語をご紹介します。
1.大屋根リング
大阪の象徴的建築が、横浜で60m級の木造タワーへ再生

大阪・関西万博を象徴する「大屋根リング」で使用された木材の一部が、横浜花博に向けて新たな姿に生まれ変わります。鹿島建設株式会社によると、使用された木材の約3%が高さ約60メートル、マンション20階建て相当の木造タワーとして再生される予定です。「KAJIMA TREE(仮称)」と名付けられたこの巨大木造タワーは、未来の都市づくりを象徴するランドマークになると期待されています。
▼外観イメージは特設サイトでご覧いただけます。
2.ノモの国
バタフライモチーフが“動く建築”として横浜花博で新たなドームに

大阪・関西万博万博で人気を集めたパビリオン「ノモの国」。
その象徴であるバタフライモチーフのファサードや照明、ミスト設備などが、横浜花博の「Urban GX Village」に出展される予定の東邦レオ株式会社の「STUDIO(仮称)」へとリユースされます。最大の特徴は、建築を“動かす”前提で設計されている点。解体・再構成が可能で、横浜ではドームとして再生される計画です。自然と建築が共存する、新たな循環型空間の実現を目指します。
▼外観イメージは特設サイトでご覧いただけます。
3.三菱未来館
“解体してこそ完成”の建築思想が、横浜で新たな外装材に生まれ変わる

三菱グループは、1970年万博から続く「三菱未来館」に“幸せな明日をみんなで創る”という想いを込め、横浜花博では館名を 「三菱みんなの未来館」 としました。この建物は 解体を前提に設計された仮設建築 で、解体後の木材は木粉化され、3Dプリント技術によって新たな建材へと再生。横浜花博では、その建材が三菱グループ展示施設の外装材として再び活用される予定です。
▼外観イメージは特設サイトでご覧いただけます。
4.ウーマンズ パビリオン
3つの万博を旅する組子が、横浜の屋内展示で再び輝く

大阪・関西万博の「ウーマンズ パビリオン in collaboration with Cartier」で使用された組子ファサードが、横浜花博の屋内展示施設で再利用されます。この組子パネルは、ドバイ万博(2020) → 大阪・関西万博(2025) → 横浜花博(2027)と3つの国際博覧会を巡る、世界的にも珍しい“二度目のリユース”を実現します。
▼外観イメージは特設サイトでご覧いただけます。
5.null2(ヌルヌル)
大阪で話題をさらった“体験型アート”が、横浜で新たな姿へ

大阪・関西万博で強烈な存在感を放ったシグネチャーパビリオン「null2(ヌルヌル)」。テクノロジー×アート×身体性が融合した独自の体験は、多くの来場者に鮮烈な印象を残しました。クリエイターの落合陽一氏は、「横浜・園芸博でも形を変えた新しい null2 を計画している」と発表。どのように進化するのかはまだ未公開ですが、“別の姿で転生する”という言葉から、まったく新しい体験への期待が高まります。詳細は今後の情報に合わせて更新予定です。
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おわりに
大阪・関西万博で生まれた建築物が、横浜花博へと“未来のバトン”として受け継がれていく。
これは単なる資材リユースではなく、「未来社会のデザイン」から「自然と共生する社会」へと理念をつなぐ新しい循環のカタチです。
建築物が旅をしながら未来へ変化していく姿は、持続可能な社会づくりにおける大きなヒントとなるはず。
横浜花博で“どんな新しい姿として再会できるのか”――その瞬間を楽しみに待ちたいと思います。
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