大阪万博から横浜花博へ|“つなぐ万博”リユースで生まれ変わるパビリオン

2025年の大阪・関西万博、そして2027年開催の国際園芸博覧会「横浜花博(GREEN×EXPO 2027)」。一見すると「未来社会」と「花と緑」。まったく異なるテーマの博覧会ですが、両者には共通して"未来を持続させるための循環"という理念があります。

特に注目されているのが、大阪・関西万博で使用されたパビリオンや建築物を横浜花博へと再利用(リユース)するプロジェクト。"つなぐ万博"とも呼ばれ、資源を活かし続ける新しい社会モデルを実際の建築を通して示す取り組みです。ここでは、大阪・関西万博から横浜花博へとつながる"建築の旅"の物語をご紹介します。

1.大屋根リング
大阪の象徴的建築が、横浜で60m級の木造タワーへ再生

大阪万博を象徴した大屋根リング
大阪万博を象徴した「大屋根リング」。木材の一部が横浜花博で60m級木造タワーへ再生される。

大阪・関西万博を象徴する「大屋根リング」で使用された木材の一部が、横浜花博に向けて新たな姿に生まれ変わります。鹿島建設株式会社によると、使用された木材の約3%が高さ約60メートル、マンション20階建て相当の木造タワーとして再生される予定です。「KAJIMA TREE(仮称)」と名付けられたこの巨大木造タワーは、未来の都市づくりを象徴するランドマークになると期待されています。

また、神奈川県も2025年11月に大屋根リングの板材(長さ約8.2メートル、幅2.4メートル、厚さ9センチ)10枚を落札。県出展エリアの屋外庭園において、花壇やウッドデッキとして再活用される予定です。開催地・神奈川県自身が大屋根リングの木材を活かすことで、"つなぐ万博"の理念がより強く発信されます。

外観イメージは特設サイトでご覧いただけます。

2.ノモの国
バタフライモチーフが"動く建築"として横浜花博で新たなドームに

ノモの国のバタフライモチーフ
「ノモの国」を形づくったバタフライモチーフ。横浜ではドーム型の"動く建築"として再構築される。

大阪・関西万博で人気を集めたパビリオン「ノモの国」。その象徴であるバタフライモチーフのファサードや照明、ミスト設備などが、横浜花博の「Urban GX Village」に出展される予定の東邦レオ株式会社の「STUDIO(仮称)」へとリユースされます。

最大の特徴は、建築を"動かす"前提で設計されている点。解体・再構成が可能で、横浜ではドームとして再生される計画です。自然と建築が共存する、新たな循環型空間の実現を目指します。

外観イメージは特設サイトでご覧いただけます。

3.三菱未来館
"解体してこそ完成"の建築思想が、横浜で新たな外装材に生まれ変わる

解体を前提に設計された三菱未来館
解体を前提に設計された三菱未来館。木粉化と3Dプリントを経て、横浜花博の外装材に生まれ変わる。

三菱グループは、1970年万博から続く「三菱未来館」に"幸せな明日をみんなで創る"という想いを込め、横浜花博では館名を「三菱みんなの未来館」としました。

この建物は解体を前提に設計された仮設建築で、解体後の木材は木粉化され、3Dプリント技術によって新たな建材へと再生。横浜花博では、その建材が三菱グループ展示施設の外装材として再び活用される予定です。

外観イメージは特設サイトでご覧いただけます。

4.ウーマンズ パビリオン
3つの万博を旅する組子が、横浜の屋内展示で再び輝く

ウーマンズ パビリオンの組子パネル
「ウーマンズ パビリオン in collaboration with Cartier」で使用された組子パネルには、驚くべき"旅の物語"がある。

大阪・関西万博の「ウーマンズ パビリオン in collaboration with Cartier」で使用された組子ファサードが、横浜花博の屋内展示施設で再利用されます。

この組子パネルは、ドバイ万博(2020)→ 大阪・関西万博(2025)→ 横浜花博(2027)と3つの国際博覧会を巡る、世界的にも珍しい"二度目のリユース"を実現します。

外観イメージは特設サイトでご覧いただけます。

5.null2(ヌルヌル)
大阪で話題をさらった"体験型アート"が、横浜で新たな姿へ

大阪万博のシグネチャーパビリオンnull2
大阪万博のシグネチャーパビリオン「null2(ヌルヌル)」。横浜花博への出展が正式決定した。

大阪・関西万博で強烈な存在感を放ったシグネチャーパビリオン「null2(ヌルヌル)」。テクノロジー×アート×身体性が融合した独自の体験は、多くの来場者に鮮烈な印象を残しました。

クリエイターの落合陽一氏は、null2の移設に向けて2025年10月1日から12月19日までクラウドファンディング「ぬるぬるのお引越」を実施。当初目標の1億円をわずか24時間で達成し、最終的には1万5,813人から約2億8,000万円の支援を集めました。

そして2025年11月28日、横浜花博への出展が正式決定。落合氏は「横浜・園芸博でも形を変えた新しいnull2を計画している」と発表しました。新しいnull2は、より有機的で"ぬるぬる"とした外形を構想中とのこと。花博という自然あふれる環境にふさわしい在り方を模索しながら、"別の姿で転生する"新たな体験への期待が高まっています。

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おわりに

大阪・関西万博で生まれた建築物が、横浜花博へと"未来のバトン"として受け継がれていく。これは単なる資材リユースではなく、「未来社会のデザイン」から「自然と共生する社会」へと理念をつなぐ新しい循環のカタチです。

建築物が旅をしながら未来へ変化していく姿は、持続可能な社会づくりにおける大きなヒントとなるはず。横浜花博で"どんな新しい姿として再会できるのか"――その瞬間を楽しみに待ちたいと思います。

よくある質問

横浜花博(GREEN×EXPO 2027)はいつ開催されますか?

2027年3月19日から9月26日までの192日間、神奈川県横浜市の旧上瀬谷通信施設跡地で開催されます。

リユースパビリオンはどこで見られますか?

鹿島建設の「KAJIMA TREE」や東邦レオの「STUDIO」は「Urban GX Village」エリアに出展予定です。三菱みんなの未来館や組子パネルの展示場所は今後発表される予定です。

null2のクラウドファンディングはまだ受け付けていますか?

「ぬるぬるのお引越」プロジェクトは2025年12月19日に終了しました。最終的に1万5,813人から約2億8,000万円の支援が集まり、横浜花博への出展が正式決定しています。

大屋根リングの木材は全部再利用されますか?

全体の約8分の1が再利用される予定です。鹿島建設のKAJIMA TREE(約3%)、神奈川県の屋外庭園、愛媛県の全国植樹祭、石川県珠洲市の復興公営住宅など、全国各地で活用が進んでいます。

※記載の情報は2026年1月時点のものです。各パビリオンの詳細や出展内容は変更になる場合があります。

※最新情報は各公式サイト等でご確認ください。

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