毎年11月の「酉(とり)の日」に開催される酉の市(とりのいち)は、商売繁盛・開運招福を願う伝統的なお祭りで、商売を営む人々やビジネスパーソンにとって新年の成功を祈願する絶好の機会です。酉の市では縁起物である熊手を購入し、福を「かき集める」という意味を込めて、商売運、ビジネス運を引き寄せます。
今回は、2024年11月に東京で開催される酉の市を10ヶ所紹介します。それぞれの神社の特徴や開催日、おすすめの参拝方法も詳しく解説。今年も酉の市で運気をアップし、さらなるビジネスの成功を目指しましょう。
酉の市とは? スケジュールもチェック
酉の市の歴史と起源
酉の市は、江戸時代から続く日本の年中行事で、とくに関東地方で盛大に行われます。この祭りは商売繁盛や開運招福を祈願するために11月の「酉の日」に大鳥神社や鷲神社などで開催され、多くの人々が縁起物の「熊手」を購入し、新しい年に向けて運気を高める風習があります。熊手には、福を「かき集める」という意味が込められており、商売を営む人々やビジネスパーソンにとって欠かせないものです。
酉の市の開催日
「一の酉」「二の酉」「三の酉」とは?
11月に行われる酉の市は、1回目の開催を「一の酉」、2回目を「二の酉」、3回目を「三の酉」と呼びます。十二支のサイクルに基づき12日ごとに巡ってくるため、「一の酉」と「二の酉」があり、暦によっては「三の酉」まで開催される年もあります。
一の酉:その年の最初の酉の日であり、とくに盛り上がる日です。
二の酉:一の酉に続いて行われ、多くの参拝者が再び集まります。
三の酉:三の酉まである年は「火事が多い」という言い伝えもあります。
2024年は一の酉が11月5日(火)、二の酉が11月17日(日)、三の酉が11月29日(金)となります。
ビジネスパーソンにとっての酉の市の意味
ビジネスパーソンにとって酉の市は、新年の成功や商売繁盛を祈願する重要なイベントです。熊手を手にすることで、翌年の仕事が順調に進むことを願い、毎年訪れる人々も多いです。熊手は年々大きくしていくのが望ましいと言われています(詳しくは記事の後半で)。この記事では、酉の市に訪れるべき神社や寺院、その特徴、参拝のポイントについて詳しく紹介します。
酉の市(由来と歴史) | 浅草・酉の市2024(令和6年の酉の市は5日(火)、17日(日)、29日(金)
【2024年】酉の市が開催される東京の神社・寺院10選
東京都内で開催される酉の市には、毎年多くのビジネスパーソンが足を運びます。
【関東の三大酉の市】
関東の三大酉の市としてとくに有名なのが、鷲神社・花園神社・大國魂神社の酉の市です。
1. 鷲神社(おおとりじんじゃ)東京都台東区
浅草の鷲神社は、酉の市発祥の地として知られる神社です。大規模に行われる酉の市には多くの露店が並び、豪華な熊手を手に入れることで新しい年の商売繁盛を願うことができます。
開催日時:2024年11月5日(火)、17日(日)、29日(金)
アクセス:
・地下鉄日比谷線入谷駅北口3番出口より徒歩約7分
・Txつくばエクスプレス浅草駅より徒歩約8分
・地下鉄銀座線田原町駅より徒歩約15分 ※台東区循環バス「南めぐりん」運行
・JR鴬谷駅南口より徒歩約20分 ※台東区循環バス「北めぐりん」運行
・東武線、メトロ浅草線・銀座線浅草駅より約15分
・JR日暮里駅東口より錦糸町駅行き都バス千束下車徒歩2分
・JR総武線錦糸町駅北口より日暮里駅行き乗車、千束下車徒歩2分
2. 花園神社(はなぞのじんじゃ)東京都新宿区
新宿の中心に位置する花園神社は、都心で働くビジネスパーソンにとって便利な場所にあり、アクセスのよさから多くの人が訪れます。仕事終わりに立ち寄りやすく、新たな取引やプロジェクトの成功を願うために多くの熊手が販売されています。
開催日時:2024年11月5日(火)、17日(日)、29日(金)※それぞれ前夜祭があります
アクセス:
●電車
・東京メトロ丸の内線・副都心線・都営新宿線新宿三丁目駅E2出口より徒歩0分
・JR、小田急線、京王線新宿駅東口より徒歩7分
●車
・首都高速4号新宿線新宿出口より5分
●バス
・都営バス 品97系統 新宿西口行き 新宿三丁目より徒歩3分
・都営バス 早77系統 早稲田行き 新宿伊勢丹前より徒歩3分
トップページ - 新宿の総鎮守 花園神社のサイトです。 花園神社
3. 大國魂神社(おおくにたまじんじゃ)東京都府中市
府中市にある大國魂神社は、広大な境内で落ち着いた雰囲気の中、商売繁盛や開運招福を願う多くの人々が訪れます。江戸時代には、商売人だけでなく、農作物も売られたことから豊作を祈る農民も多く参拝していたと言われています。
開催日時:2024年11月5日(火)、17日(日)、29日(金)
アクセス:
●電車
・京王線府中駅南口から徒歩5分
・JR南武線・武蔵野線府中本町駅から徒歩5分
●車
【中央自動車道】
・新宿方面より……稲城ICで降り、府中市外方面へ進み約10分
・八王子方面より……府中スマートICで降り、約10分
※八王子方面にお帰りの際ETC搭載車は府中スマートICをご利用になれます。ETCを搭載していない場合は国立府中ICをご利用ください。
以上の3ヶ所は、とくに多くの人が訪れる「関東の三大酉の市」です。
4. 長國寺(ちょうこくじ)東京都台東区
長國寺は、東京都台東区に位置する寺院で、鷲神社と並んで有名な酉の市の開催地です。商売繁盛や開運招福を祈願する多くの参拝者が集まり、毎年盛大に酉の市が行われます。熊手をはじめとする縁起物の販売も盛んで、地域の活気に満ちた雰囲気が特徴です。
開催日時:2024年11月5日(火)、17日(日)、29日(金)
アクセス:
・地下鉄日比谷線入谷駅・三ノ輪駅より徒歩約10分
・都営バス 竜泉バス停より徒歩約2分(日暮里駅←→錦糸町駅)
5. 練馬大鳥神社(ねりまおおとりじんじゃ)東京都練馬区
東京都練馬区にある大鳥神社は、とくに地元の商売人に親しまれる神社です。浅草の鷲神社や新宿の花園神社の酉の市に比べると参拝者数も少なく落ち着いた雰囲気のため、大混雑を避けて酉の市を体験したい人におすすめです。
開催日時:2024年11月5日(火)、17日(日)、29日(金)
アクセス:西武池袋線、都営大江戸線練馬駅から徒歩3分
練馬酉の市2024年 -練馬大鳥神社- 練馬駅秋の大祭「酉の市」|トップページ
6. 花畑大鷲神社(はなはたおおとりじんじゃ)東京都足立区
東京都足立区にある花畑大鷲神社は、地域で親しまれている神社です。毎年酉の市では、広い境内に縁起物の熊手を売る屋台が立ち並び、威勢のいい手締めが行われ、大勢の人で賑わいます。
開催日時:2024年11月5日(火)、17日(日)、29日(金)
アクセス:東武スカイツリーライン谷塚駅より東武バス花畑桑袋団地行 草加記念体育館下車 徒歩8分
7. 十番稲荷神社(じゅうばんいなりじんじゃ)東京都港区
十番稲荷神社は、六本木ヒルズを間近に仰ぎ見る東京都港区麻布十番に位置する、歴史ある神社です。大江戸線の麻布十番駅7番出口を出てすぐの場所にあるため、仕事帰りのビジネスパーソンも多く訪れます。麻布十番の商店街も近いため、参拝後には地域の活気も感じられるでしょう。
開催日時:2024年11月5日(火)、17日(日)、29日(金)
アクセス:
●地下鉄
・地下鉄大江戸線麻布十番駅7番出口より徒歩0分
・地下鉄南北線麻布十番駅4番出口より徒歩5分
●バス
都営バス(渋谷~新橋)麻布十番バス停より徒歩5分
十番稲荷神社 - 港七福神宝船のお社 -
8. 波除神社(なみよけじんじゃ)東京都中央区
波除神社は、東京都中央区築地にあり、築地場外市場に隣接していることで知られます。酉の市ではとくに商売繁盛を願う地元の商売人やビジネスパーソンが訪れ、酉の市の当日限定で頒布される御朱印も人気です。また、厄除け・厄払い祈願でも知る人ぞ知る神社です。
開催日時:2024年11月5日(火)、17日(日)、29日(金)
アクセス:
●電車
・都営大江戸線築地市場駅より徒歩5分
・東京メトロ日比谷線築地駅より徒歩7分
●バス
都バス 築地6丁目から徒歩3分
波除神社
9. 須賀神社(すがじんじゃ)東京都新宿区
須賀神社は、東京都新宿区の四谷に位置し、地元民をはじめ多くの人々に愛されている神社です。新宿という立地から、アクセスも良好で、酉の市には仕事終わりの多くのビジネスパーソンが訪れます。
開催日時:2024年11月5日(火)、17日(日)、29日(金)
アクセス:
・JR中央線快速・総武線各駅停車 四ツ谷駅より徒歩10分
・JR総武線各駅停車 信濃町駅より徒歩10分
・東京メトロ丸ノ内線・南北線・四ツ谷駅より徒歩10分
・東京メトロ丸の内線・四谷三丁目駅より徒歩7分
10. 大鳥神社(おおとりじんじゃ)東京都目黒区
東京都目黒区の大鳥神社は「目黒のお酉さん」と呼ばれ親しまれている神社です。酉の市には商売繁盛や開運招福を願う地元の人々で毎年賑わいます。大鳥神社ではご神前に八つ頭(やつがしら)を奉納しますが、八つ頭は子芋が親芋から分球せずに塊のまま大きくなるサトイモの仲間で、「子孫繁栄」の願いが託されています。また、「人の上(頭)に立つ=出世できる」という縁起を担いでいます。目黒通りからアクセスしやすく、周辺の商店街も訪れるのに良い場所です。
開催日時:2024年11月5日(火)、17日(日)、29日(金)
アクセス:JR山手線目黒駅西口より徒歩7分
大鳥神社【目黒区最古の祈願所、江戸時代から続く酉の市が有名】
「関東の酉の市 vs 関西の十日戎」スケジュールや縁起物を比較
関東エリアでとくに盛り上がりを見せる「酉の市」ですが、関西で馴染みがあるのは「十日戎(とおかえびす)」でしょう。どちらも商売繁盛や開運招福を願う伝統行事ですが、その規模や特色は地域によって異なります。ここでは、関東の酉の市、関西の十日戎を比較し、それぞれの魅力と違いに注目します。
十日戎とは?
十日戎とは、酉の市と同じく商売繁盛や開運招福を願う伝統行事で、とくに関西で盛んに行われています。漁業の神、商売繁盛の神、五穀豊穣の神として有名な「七福神」の一柱である戎(恵比寿)様を祀る祭りで、関西全域で広く行われる年始の一大イベントです。
開催時期
酉の市
酉の市は、毎年11月の「酉の日」に行われます。2024年は一の酉が11月5日(火)、二の酉が11月17日(日)、三の酉が11月29日(金)となります。
十日戎
一方、関西の「十日戎」は、毎年1月10日を中心に「宵戎(よいえびす)」「本戎(ほんえびす)」「残り福(のこりふく)」と3日間続けて行われるのが一般的です。
宵戎(1月9日):前夜祭として参拝が始まる日です。早い時間から混雑し始めます。
本戎(1月10日):十日戎のメインイベントで最も多くの参拝者が訪れる日です。神社では盛大な祭典や行事が行われます。
残り福(1月11日):十日戎の締めくくりとして、福をもらいそびれた人が参拝する最後のチャンスとされています。この日にも多くの参拝者が訪れます。
2025年は宵戎が1月9日(木)、本戎が1月10日(金)、残り福が1月11日(土)となります。
祭りの象徴と縁起物
酉の市
酉の市の象徴的な縁起物は「熊手」です。熊手は、福をかき集めるという意味が込められています。豪華に装飾された熊手は商売人にとって欠かせないアイテムで、毎年多くの露店で販売されます。
十日戎
十日戎でも熊手は縁起物として人気ですが、関東と関西では熊手の爪の向きに違いがあります。関東は爪が手前に向いているのに対し、関西では後ろ向きになっています。
また、関西では熊手と同じく縁起物として人気なのが「福笹(ふくざさ)」です。笹に吉兆(お守りや飾り)を付けて飾ることで、商売繁盛や家内安全を願います。福娘と呼ばれる女性が笑顔で福笹を渡す様子は十日戎の見どころのひとつです。
熊手の中心に飾られるアイテムの違い
酉の市
酉の市で販売されている熊手の中心には、おかめの面が飾られることが一般的です。おかめとは「お多福 (おたふく) 」とも呼ばれる福を招く女性のことです。縁起のよい存在とされており、商売繁盛や家内安全を願うための重要なシンボルです。天照大神の象徴としても、光をもたらし、幸運を招くとされています。
十日戎
十日戎で販売されている熊手の中心には、大黒様や恵比寿様が飾られることが多いです。大黒様は豊穣の神、恵比寿様は商売繁盛の神として信仰されており、福をもたらす存在です。このため、関西では商売の繁栄を願う熊手に、とくにこの二柱の神を中心に据えたデザインが多く見られます。
熊手の買い方 ~年を追うごとに大きくする理由~
熊手を購入する際には、年を追うごとに大きくしていくという慣習があります。この慣習には意味があり、商売が発展し、運気が上昇していることを象徴するものです。
はじめは小さい熊手を購入
商売を始めたばかりの人や、新しいプロジェクトを始めたビジネスパーソンは、まず小さな熊手を購入することが一般的です。これは、最初に手にした福をしっかりと掴み、徐々に大きな成功へとつなげていくための一歩です。
成功を感じたら年を追って大きくする
商売が軌道に乗ったり、プロジェクトがうまく進み始めたら、次の年には少し大きな熊手を購入し、さらなる繁盛を願います。この「年を追うごとに大きくする」習慣は、商売繁盛を目指す人々にとって、縁起を担ぐ大切な儀式の一環となっています。
【2025年】十日戎に行くならココ!三大戎神社
関西で有名な「十日戎」といえば、大阪の今宮戎神社、兵庫の西宮神社、京都の京都ゑびす神社の“三大戎神社”です。
1. 今宮戎神社(いまみやえびすじんじゃ)大阪府大阪市
大阪府大阪市に位置する今宮戎神社は十日戎の中心的な存在です。「えべっさん」として親しまれ、例年100万人ほどの参拝者が訪れます。商売繁盛を祈願する人々で賑わい、境内では福笹を手にした参拝者が多く見られます。また、福娘と呼ばれる女性が、参拝者に福を授ける役割を担う光景が印象的です。
開催日時:2025年1月9日(木)、10日(金)、11日(土)
アクセス:
●電車
・南海高野線今宮戎駅より東へすぐ
・大阪メトロ御堂筋線大国町駅3番出口より東へ徒歩約5分
・大阪メトロ堺筋線恵美須町駅5番出口より西へ徒歩約5分
・阪堺線恵美須町駅から西へ徒歩約5分
・JR新今宮駅から北へ徒歩約10分、または南海高野線に乗り換え今宮戎駅下車
●車
阪神高速道路なんば出口より約5分
2. 西宮神社(にしのみやじんじゃ)兵庫県西宮市
兵庫県西宮市にある西宮神社も、関西で有名な十日戎の神社のひとつです。とくに注目されるのは「福男選び」と呼ばれる行事で、1月10日の早朝、神社の門が開かれると同時に参拝者が一斉に本殿に駆け込み、最初に到着した人が「福男」となります。福男選びは大変混雑しますので、参拝目的ならこの時間帯は避けたほうがいいでしょう。
開催日時:2025年1月9日(木)、10日(金)、11日(土)
アクセス:
・阪神電車・本線 西宮駅南口より南西へ徒歩5分
・JR神戸線さくら夙川駅より南東へ徒歩10分
・JR神戸線西宮駅より南西へ徒歩15分
・阪急電車・神戸線 夙川駅より南東へ徒歩15分
・阪急電車・神戸線 西宮北口駅(乗り換え)阪急電車・今津線 今津駅(乗り換え)阪神電車 西宮駅
3. 京都ゑびす神社(きょうとえびすじんじゃ)京都府京都市
京都にある京都ゑびす神社でも、十日戎の行事が盛大に行われます。戎(恵比寿)様と言えば「商売繁盛の笹」をイメージしますが、戎(恵比寿)信仰の象徴とも言える笹は、もともと京都ゑびす神社独自の「御札」の形態が広まったものです。京都の古い町並みの中にあり、風情のある十日戎を楽しむことができます。
開催日時:2025年1月9日(木)、10日(金)、11日(土)
アクセス:
・京阪電車 祇園四条駅より徒歩6分
・阪急電車 河原町駅より徒歩8分
・JR・近鉄京都駅よりバス(17・205系統)で約10分、河原町松原バス停より徒歩約5分
・市バス(31・46・201・203・207系統など)で四条京阪前バス停より徒歩約5分
まとめ
酉の市は商売繁盛や開運招福、ビジネスの成功を願う伝統的な祭りとして、江戸時代から多くの人々に親しまれてきました。今年も各神社、寺院で特色ある酉の市が開催されます。縁起物の熊手を購入し、新年に向けた福を呼び込みましょう。
※参考サイトの最終アクセスはすべて2024年10月25日