生涯スポーツ「乗馬」を趣味にする!馬と過ごす特別な時間

17日間にわたって熱戦が繰り広げられた2024年パリオリンピック(五輪)。“初老ジャパン”の愛称で話題となった総合馬術団体の日本代表メンバーが銅メダルを獲得しました。日本勢では馬術で92年ぶり、団体では史上初。日本中が大いに盛り上がるなか、このメダルをきっかけに「馬」に興味を持った人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、現在日本国内にいる馬について、また、子どもの習い事としても大人の趣味としても人気上昇中の乗馬についても調べてみました。

日本の在来馬は全国に8品種

まずは、馬の品種からみてみましょう。
品種といわれても、競馬の主流であるサラブレッドくらいしか浮かばない人も多いかもしれませんが、世界には200種類以上の馬がいるといわれています。そのうち古くから日本にいる馬種で、洋種馬などの外来種と交配することなく現在まで残ってきた「日本在来馬」は8種類で全国各地にいます。

北海道和種(ほっかいどうわしゅ)【北海道】

「道産子(どさんこ)」の愛称で知られる北海道和種は、主に北海道で飼育されてきた馬です。体高約130cmで、北海道の文化遺産に指定されています。頑丈な体格で、筋肉質で骨太。長い間人々の生活を支えてきた大切な馬種で、北海道の厳しい気候や地形に適応した独自の特性と文化的な価値から保存活動が進められています。

木曽馬(きそうま)【長野県】

木曽馬は、主に長野県の木曽地域で飼育されてきた馬です。体高約132cmで、長野県の天然記念物に指定されています。小柄ながらも頑丈でがっしりとした体格をしています。体は筋肉質で、短くて太い脚は山岳地帯での作業に適しており、持久力に優れています。木曽馬の歴史は非常に古く、平安時代にはすでに木曽地域で飼育されていたとされていて、戦国時代には戦馬としても使用されていました。

野間馬(のまうま)【愛媛県】

野間馬は、主に愛媛県の今治市やその周辺地域で飼育されてきた馬です。体高約100cmで、今治市の指定文化財になっています。日本在来馬8種の中では最も小さい馬ですが、力強さも兼ね備えています。体が小さいため非常に敏捷で、持久力にも優れています。狭い山道や急な坂道でもスムーズに動け、農作業に適しています。

対州馬(たいしゅうば)【長崎県】

対州馬は、主に長崎県の対馬で飼育されてきた馬です。体高約127cm。険しい山道が多い対馬で育つため坂道に強く、農作業や運搬作業など島の生活に欠かせない存在として活躍してきましたが、近年はその温和な性格から、観光や教育活動にも利用されています。対馬市の天然記念物に指定され、文化財としての価値を守るための活動が行われています。

御崎馬(みさきうま)【宮崎県】

御崎馬は、宮崎県の都井岬(といみさき)で野生に近い形で飼育されている馬で、国内でも非常に希少な存在です。体高約132cm。半野生状態の環境で育つため、強靭な体をしており、他の在来種に比べて肢(あし)が細いことが特徴です。毎年秋には健康管理を目的として「都井岬馬追い(といのみさきうまおい)」という行事が実施されます。御崎馬は国の天然記念物に指定され、保護されています。

トカラ馬(とからうま)【鹿児島県】

トカラ馬は、主に鹿児島県のトカラ列島で飼育されてきた馬です。体高約110cmで、鹿児島県の天然記念物に指定されています。亜熱帯気候で夏は非常に暑く、湿度が高いトカラ列島で育つため暑さに強く、かつてトカラ列島で盛んだったサトウキビ栽培で収穫物を運ぶ役割を果たしていました。

宮古馬(みやこうま)【沖縄県宮古島】

宮古馬は、主に沖縄県の宮古島で飼育されてきた馬です。体高約110cmで、沖縄県の天然記念物に指定されています。宮古馬の起源については諸説あり、古代に中国から伝わったという説や、朝鮮半島の馬が九州を経て伝わったという説もあります。人によく懐く愛らしい性格で、現在は観光用の馬としても人気です。

与那国馬(よなぐにうま)【沖縄県与那国島】

与那国馬は、主に沖縄県の与那国島で飼育されてきた馬です。体高約115cmで、与那国町の天然記念物に指定されています。いつから与那国島に生息しているかは文献がほとんどないため不明です。蹄が硬く、足もとの悪い山道でも平気で、かつては農家の大事な担い手として活躍していました。非常に人懐っこいので、宮古馬と同じように現在は観光用の馬として愛されています。

在来馬は日本各地で、農耕用や荷物の運搬用などとして飼養されてきました。1960年代後半から1970年代にかけて進んだモータリゼーションによって需要が少なくなり、飼養頭数は減少しましたが、人と馬とが共生した時代の証なのです。

参考:公益財団法人馬事文化財団「日本の在来馬一覧」(最終アクセス2024年8月30日)

参考:公益社団法人日本馬事協会(最終アクセス2024年8月30日)

乗馬のメリット

ここからは、馬と触れ合う体験をしてみたい人、趣味として乗馬を始めたい人に、乗馬がもたらす人への効果について見てみましょう。

身体的なメリット

乗馬は全身運動として知られ、さまざまな身体的メリットをもたらします。

1. コアマッスルの強化

乗馬では、馬の動きに合わせて体を安定させるために、腹筋や背筋、骨盤周りの筋肉(コアマッスル)を自然と使います。これにより、鍛えることが難しいといわれる体幹を鍛えることができます。

2. バランス感覚の向上

馬の上でバランスを保つことが求められるため、乗馬はバランス感覚を鍛えるのに非常に効果的です。馬の歩調や動きに合わせて体を調整することで、バランス力が自然とアップします。

3. 柔軟性の向上

乗馬中は脚を広げた状態で馬にまたがるため、股関節や内腿の筋肉が伸ばされ、柔軟性が増します。また、馬の動きに合わせて体を回転させたり、前後に動かすことで、全身の関節や筋肉の柔軟性も高まります。

4. 脚力の強化

馬を操る際に、脚で馬の体を締めたり、指示を出したりする動作が必要になります。これにより、とくに太ももやふくらはぎの筋肉が鍛えられ、脚力が強化されます。

5. 持久力の向上

長時間にわたって馬に乗ることで、持久力が向上します。乗馬はただ乗っているだけのように感じるかもしれませんが、実は全身の筋肉を動かす有酸素運動です。

6. 姿勢の改善

正しい乗馬姿勢を保つことで、自然と背筋が伸び、正しい姿勢が習慣化されます。これにより、日常生活でも姿勢が良くなり、腰痛や肩こりの予防にもつながります。

7. カロリー消費

乗馬は意外とエネルギーを消費する運動です。馬上でのバランス維持や馬の動きに対応するのに全身を使うため、適度なカロリー消費が期待できます。

精神的なメリット

乗馬は、身体的な健康だけでなく、心の健康にも大きなメリットをもたらす活動です。

1. ストレス解消

馬と一緒に自然の中を歩いたり、乗馬を楽しむことで、多忙な日常から解放され、リラックス効果が得られます。馬のリズミカルな動きが心を落ち着かせ、ストレスを和らげてくれます。

2. 心の安定と癒し

馬との触れ合いはセラピー効果があるとされ(ホースセラピー)、心が癒され、安心感をもたらします。

3. 集中力と注意力の向上

乗馬には高い集中力が求められます。馬の動きや周囲の状況に常に注意を払いながら行動する必要があるため、自然と集中力や注意力が鍛えられます。この効果は日常生活や仕事においても役立ちます。

4. 感情のコントロール

馬は人間の感情を敏感に感じ取るため、冷静で安定した心の状態が求められます。これにより、感情のコントロール力が養われ、心のバランスを保つ訓練にもなります。

5. 社交性の向上

乗馬クラブや乗馬イベントを通じて、同じ趣味を持つ人々との交流が生まれます。共通の話題を通じて新しい友人を作る機会が増え、社交性が向上します。また、馬とのコミュニケーションを通じて、他者との円滑なコミュニケーション能力も高まります。

6. 自然との一体感

乗馬は自然の中で行われることが多いため、自然との一体感を感じることができます。自然の中で馬と過ごす時間は、精神的なリフレッシュとなります。

7. 達成感と自己成長

乗馬の技術が向上することで、達成感を感じることができます。また、馬との信頼関係を深める過程で自分自身の成長を感じることができます。これにより、自己肯定感やモチベーションが高まります。

乗馬は「生涯スポーツ」といわれるように、性別や年齢、体力や運動能力等による差が生まれにくく、年を重ねても健康的に続けられるスポーツです。子どもが自立して家を出た後や、定年を迎えてから、第2の人生をスタートさせるタイミングで始める人も増えています。

参考:日本乗馬普及協会「馬旅 乗馬による8つのメリット」(最終アクセス2024年8月30日)

参考:一般財団法人ホースコミュニティ「ホースセラピーねっと ホースセラピーとは?」(最終アクセス2024年8月30日)

参考:乗馬用品・馬具&ライフスタイル JODHPURS(ジョッパーズ)「いいこといっぱい!乗馬の利点、メリット4選!」(最終アクセス2024年8月30日)

参考:乗馬クラブクレイン「よくある質問」(最終アクセス2024年8月30日)

乗馬を始めるなら「乗馬クラブクレイン」

www.youtube.com

乗馬に興味はあるけれど何から始めればいいかわからないという人は、まずは乗馬クラブで行われている乗馬体験に参加してみましょう。乗馬デビューは「乗馬クラブクレイン」がおすすめです。

乗馬クラブクレイン

各地にクラブがある

乗馬クラブに入りたいけれど、遠いと通うハードルが上がってしまい、続けられるか不安な人も多いでしょう。乗馬クラブクレインなら大丈夫! 各地に拠点があるため、通いやすいクラブが見つかります。

乗馬クラブクレインのクラブ一覧をチェック

好きな時間帯に行ける

乗馬クラブクレインでは、ほとんどのクラブが最寄り駅から無料送迎バスが出ていて、駅からクラブまでは20分程です。車の場合も交通アクセスがよく、駐車場も完備されているので、好きな時間に行くことができます。

自分のペースで通える

乗馬クラブクレインの会員さんは、クラブに1ヶ月に1~2日訪れ、1日に2回ほど騎乗している人がほとんどです。レッスンは予定や目的に合わせて自分のペースで受けることができます。仕事帰りに急に時間ができた場合も、レッスン状況に空きがあれば当日でもナイターレッスンに参加可能。外乗(がいじょう)に行くことを目標としている人は、短期間で集中して騎乗することもできます。

乗馬クラブクレイン「よくある質問」はこちら

インストラクターさんに聞きました!
「乗馬の魅力」って何ですか?

乗馬クラブクレインのインストラクター 多胡 啓様に乗馬の魅力について伺いました。

乗馬とは馬と会話するスポーツのことです。
体重が400キロ以上もある大型動物。姿勢とバランスを意識して話しかけるように自分のカラダで合図してみましょう。
言葉を越えての会話、コミニケーションは簡単なことではありません。だからこそ馬への合図が通じた時の感動は、ジュニアからシニアまで世代、性別に関係なく貴重な経験となるはずです。
何よりも馬が愛おしくなる大切な時間を是非、皆様もご体験ください(乗馬クラブクレイン インストラクター 多胡 啓)。

秋空の下、乗馬デビュー!
始めるなら、今がおすすめです。

SBIグループサービス