春から夏にかけて、全国各地でたくさんのお祭りや花火大会が行われます。なかでもとくに夏祭りが多いのが東北地方で、8月上旬は開催日が重なるお祭りが多いのも特徴です。
そこで今回は、東北を代表する6つのお祭りが一堂に会するイベント「東北絆まつり」をご紹介します。
東北絆まつりとは?
東北絆まつりは、東日本大震災の犠牲者の鎮魂と復興を願って始まった「東北六魂祭」の後継イベントです。東北のさらなる復興とその先の未来に向けて前進するため、東北各県の県庁所在地6市、6祭り団体、6商工会議所が連携し、開催されています。
初回は2017年に宮城県仙台市で行われ、その後、各県の県庁所在地での持ち回り開催となり、2023年の青森県青森市での開催で一巡しました。
2024年は再び仙台市で6月8日(土)~9日(日)に行われる予定で、東北絆まつり2巡目が始まります。
東北絆まつり6つのお祭りとは?
東北絆まつりは、青森県、岩手県、秋田県、宮城県、山形県、福島県、東北の各県を代表するお祭りです。
【青森県】青森ねぶた祭
【岩手県】盛岡さんさ踊り
【秋田県】秋田竿燈(かんとう)まつり
【宮城県】仙台七夕まつり
【山形県】山形花笠まつり
【福島県】福島わらじまつり
東北絆まつり6つのお祭りのそれぞれの特徴は?
東北絆まつり(青森ねぶた祭・盛岡さんさ踊り・秋田竿燈まつり・仙台七夕まつり・山形花笠まつり・福島わらじまつり)の6つのお祭りは、すべて全国的に名の知れた人気のお祭りです。
それぞれどんなお祭りなのか調べてみました。
【青森県】青森ねぶた祭(8月2日~8月7日)
青森県青森市の中心部で例年8月2日から8月7日に行われる青森ねぶた祭は、秋田竿燈まつり・仙台七夕まつりとともに東北三大祭りのひとつで、1980年に国の重要無形民俗文化財に指定されました。
青森ねぶた祭は、奈良時代に中国から渡来した「七夕祭」と、古来から津軽にあった習俗と精霊送り等の行事が一体化し、紙やろうそくの普及とともに灯籠が作られ、現在の人形、扇ねぶたになったと考えられています。8月2日から6日までは運行コース上にねぶたが待機し、一斉にすべてのねぶたが動き出します。最終日の7日は、大賞を取ったねぶたを先頭に順次運行し、夜に海上運行(台船に乗せられた受賞ねぶた6台が青森港を運行します)が始まります。お祭りのフィナーレには「青森花火大会」も行なわれ、花火とねぶたのコラボレーションを楽しめます。
青森ねぶた祭の醍醐味は、幅約9m、高さ約5mのねぶたの周りで踊る「跳人(ハネト)」になって、お祭りに参加できること。ハネトたちの掛け声は「ラッセラー、ラッセーラー」です!
見るだけでなく、参加するのが楽しいお祭りです。
青森ねぶた祭とよく似たお祭りに、同じく青森県内で開催される「弘前ねぷたまつり」がありますが、青森ねぶた祭と弘前ねぷたまつりの違いについては青森ねぶた祭2023と弘前ねぷたまつり2023、訪れるならどっち?で、どうぞ。
青森ねぶた祭の開催期間:8月2日~8月7日
参考:青森ねぶた祭公式サイト(最終アクセス2024年5月1日)
参考:【公式】青森県観光情報サイト「青森ねぶた祭」(最終アクセス2024年5月1日)
参考:東北六市の観光Webメディア ときめく、とうほく「青森ねぶた祭」(最終アクセス5月1日)
【岩手県】盛岡さんさ踊り(8月1日~8月4日)
岩手県盛岡市で例年8月1日から8月4日に行われる盛岡さんさ踊りは、いろいろな地域で踊られ、市民に古くから親しまれてきた盆踊りの一種です。さんさ踊りの発祥として多く語られているのは、盛岡市名須川町の三ツ石神社にまつわる「三ツ石伝説」に由来するもの。その昔、里人を苦しめていた鬼が、三ツ石の神様によって退治され、降参の印に誓約の手形を石に残して去った際、喜んだ里人たちが三ツ石のまわりで「さんさ、さんさ」と踊り囃したのがさんさ踊りの始まりと伝えられています。
1978年(昭和53年)、「盛岡さんさ踊り」としてパレードを行って以来、市民総参加のまつりとして成長し、2014年には「和太鼓同時演奏」の世界記録を達成しました。
盛岡さんさ踊りは、「魅せる祭り」と「参加する祭り」のコラボレーションが特徴で、「ミスさんさ踊り」の華麗な演舞を先頭に、一般参加集団や伝統さんさ集団の踊りが続き、力強い太鼓と笛の音色に加え、「サッコラチョイワヤッセ」(「幸せを呼ぶ、来る」と書いて「幸呼来(サッコラ)」)という掛け声とともにパレードします。
盛岡さんさ踊りの開催期間:8月1日~8月4日
参考:盛岡さんさ踊り公式サイト(最終アクセス2024年5月1日)
参考:東北六県商工会議所連合会「盛岡さんさ踊り」(最終アクセス2024年5月1日)
参考:盛岡市公式サイト「さんさ踊り」|(最終アクセス2024年5月1日)
【秋田県】秋田竿燈まつり(8月3日~8月6日)
秋田県秋田市で例年8月3日から8月6日に開催される秋田竿燈(かんとう)まつりは、青森ねぶた祭、仙台七夕まつりとともに東北三大祭りのひとつです。秋田竿燈まつりは約270年もの歴史をもつ国重要無形民俗文化財で、真夏の病魔や邪気を払う、ねぶり流し行事(※)として宝暦年間にはその原型となるものが出来ていたといわれています。
秋田竿燈まつりでは、長い竹竿にたくさんの提灯を吊るした「竿燈」を、「差し手」と呼ばれる腕自慢たちが手のひら、額、肩、腰などの体1点に乗せ、絶妙なバランスで操る「妙技」と呼ばれる技を披露します。
竿燈が上手にあがると「ドッコイショー、ドッコイショ」という掛け声で盛り立てます。また、「オエタサー、オエタサ、根ッコツイタ、オエタサ」という掛け声もあがります。
(※)夏の眠気とともに穢れや悪霊を流し去り、無病息災、家内安全を祈るお盆の行事
秋田竿燈まつりの開催期間:8月3日~8月6日
参考:Akita Kanto Festival公式サイト「秋田竿燈まつり」(最終アクセス2024年5月1日)
参考:アキタファン「秋田竿燈まつり」(最終アクセス2024年5月1日)
参考:上米町一丁目竿燈会「秋田竿燈まつり」(最終アクセス2024年5月1日)
参考:東北六市の観光Webメディア ときめく、とうほく「秋田竿燈まつり」(最終アクセス2024年5月1日)
【宮城県】仙台七夕まつり(8月6日~8月8日)
宮城県仙台市で例年8月6日から8月8日に行われる仙台七夕まつりは、仙台では“たなばたさん”と呼ばれ、伊達政宗公の時代から続く歴史あるお祭りです。7月7日の月遅れの8月7日を中日として、8月6日から8日の3日間にわたって開催され、青森ねぶた祭、秋田竿燈まつりとともに東北三大祭りのひとつにも数えられています。
お祭り期間中は、仙台市内が趣向をこらした豪華絢爛な笹飾りで鮮やかに彩られ、毎年200万人以上の人々がその光景に酔いしれます。
ちなみに、仙台七夕で飾られる七夕飾りには「七つ飾り」というものがあり、「短冊(たんざく)」「紙衣(かみごろも)」「折鶴(おりづる)」「巾着(きんちゃく)」「投網(とあみ)」「屑籠(くずかご)」「吹き流し(ふきながし)」で、それぞれに意味が込められています。詳しくは仙台七夕まつりに湘南ひらつか七夕まつり。星降る夜に絢爛豪華な笹飾りを見に行こうでチェックしてください。
8月5日には、仙台七夕まつりの前夜祭として「仙台七夕花火祭」も開催されます。例年約16,000発の華やかな花火が仙台市中心部で打ち上げられるため、仙台の街中にいながら花火を見ることができ、多くの人で賑わいます。
仙台七夕まつりの開催期間:8月6日~8月8日
参考:仙台七夕まつり協賛会「仙台七夕まつり」(最終アクセス2024年5月1日)
参考:仙台観光情報サイト せんだい旅日和『「仙台七夕まつり」を巡る旅』(最終アクセス2024年5月1日)
参考:東北六市の観光Webメディア ときめく、とうほく「仙台七夕まつり」(最終アクセス2024年5月1日)
【山形県】山形花笠まつり(8月5日~8月7日)
山形県山形市中心市街地で例年8月5日から8月7日に行われる、山形花笠まつり。山形県の県花・紅花をあしらった花笠を手に、艶やかな衣装の大集団が「花笠音頭」に合わせて、「ヤッショ、マカショ」という威勢のいい掛け声と花笠太鼓の勇壮な音色とともに踊りながら、市内の目抜き通りを御祭神の蔵王大権現の山車を先頭にパレードします。山形県を代表する民謡「花笠音頭」の起源は諸説ありますが、明治から大正時代の頃に山形県村山地方で歌われていた「土突き(どんつき)唄」が元唄といわれていて、「ヤッショ、マカショ」という囃子ことばは、その土突きの掛け声から出たといわれています。
山形花笠まつりの花笠踊りは、踊り方の種類が豊富。優雅で華麗に踊る「正調花笠踊り ~薫風最上川~」(通称・女踊り)、自然の恵みへの感謝を思わせる勇壮な「正調花笠踊り ~蔵王暁光~」(通称・男踊り)、花笠発祥の地とされる尾花沢で主に踊られるダイナミックな「笠回し」系踊りなど、一度に多彩な踊りを見ることができるのも、山形花笠まつりの醍醐味です。
山形花笠まつりの開催期間:8月5日~8月7日
参考:山形花笠まつり公式サイト(最終アクセス2024年5月1日)
参考:山形県の公式観光・旅行情報サイト「山形花笠まつり」 (最終アクセス2024年5月1日)
参考:東北六市の観光Webメディア ときめく、とうほく「山形花笠まつり」(最終アクセス2024年5月1日)
【福島県】福島わらじまつり(8月第1金曜日~日曜日)
福島県福島市で例年8月第1金曜日から日曜日に開催される福島わらじまつりは、福島市のシンボル・信夫山にある羽黒神社に安置された仁王様のために、長さ12mの大わらじを奉納する、江戸時代から続く冬の神事「信夫三山暁まいり」にルーツがあります。この信夫三山暁まいりで奉納されるわらじは片足分で、もう片足のわらじを奉納するのが「福島わらじまつり」です。かつては伊勢参拝などの長旅に出かける人々が健脚、旅の安全などを祈って奉納していましたが、近年は無病息災・五穀豊穣・家内安全・商売繁盛も願っています。
日本一の大わらじを先頭に、踊り手、太鼓と笛による生演奏と、「ワッショイ!ワッショイ!」の掛け声とともに熱い演舞を繰り広げます。
東北の短い夏を楽しむ、賑やかな雰囲気に包まれるお祭りです。
福島わらじまつりの開催期間:8月第1金曜日~日曜日
参考:福島わらじまつり実行委員会「福島わらじまつり」(最終アクセス2024年5月1日)
参考:東北観光推進機構「福島わらじまつり」(最終アクセス2024年5月1日)
参考:東北六市の観光Webメディア ときめく、とうほく「福島わらじまつり」(最終アクセス2024年5月1日)
「東北絆まつり2024仙台」へ行こう!
青森ねぶた祭・盛岡さんさ踊り・秋田竿燈まつり・仙台七夕まつり・山形花笠まつり・福島わらじまつり。一度は見てみたい東北6祭りが集結!
2024年の東北絆まつりは仙台で行われます。
開催期間、開催場所、開催内容など、詳細をチェックしましょう。
東北絆まつり2024仙台の開催期間
●イベント
2024年6月8日(土)10:00 ~ 20:00(予定)
2024年6月9日(日)10:00 ~ 17:00(予定)
●パレード
2024年6月9日(日)13:30 ~ 16:00(予定)
東北絆まつり2024仙台の開催場所
●イベント会場
西公園・青葉山公園ほか
●パレードコース
定禅寺通(晩翠通交差点)~東二番丁通(青葉通交差点手前)
東北絆まつり2024仙台の開催内容
東北6市6祭りのパレード、ステージイベント、東北地方の観光、飲食・物産PR ブースほか
東北絆まつり2024仙台のイベント会場詳細
それぞれの会場で実施される催しは以下です。
東北絆まつりパレードコース
東北6市のお祭りによるパレード。西公園や市民広場などでパレード中継も実施されます(6月9日のみ)。
パブリックビューイング会場[匂当台公園市民広場]
パレード沿道の混雑緩和のため、パブリックビューイングが実施されます。
お祭り展示広場
福島わらじまつりの大わらじの展示や、青森ねぶた祭の「ねぶた」の灯入れと演舞を見学できるエリアです。
祭りと学びの広場(仮)[西公園会場]
東北6祭りステージのほか、仙台七夕飾りや秋田竿燈まつりの「竿燈」の灯入れと演舞に触れ、祭りの歴史や伝統工芸品などを学び、知る東北を堪能できるエリアです。
自治体会場(仮)[お花見広場]
東北エリア、宮城県35の市町村がブース出店。飲食や物産が楽しめるエリアです。
食と体験の広場(仮)[青葉山公園会場]
朝から夜まで1日中、全世代が楽しめる東北エンタメパークです。
ぶらんど~む一番町七夕飾り(ぶらんど~む一番町)
仙台七夕まつり本番さながらの笹飾りで装飾されます。
一番町商店街流し踊り
仙台すずめ踊り、盛岡さんさ踊り、山形花笠まつり、福島わらじまつりによる流し踊り(6月8日のみ)が実施されます。
会場の地図はコチラ
参考:東北絆まつり2024仙台公式サイト(最終アクセス2024年5月2日)
「大阪・関西万博」で東北絆まつりを体験!
東北絆まつりは、2025年の「大阪・関西万博」への出展が内定しています。
万博への出展は2025年6月12日から16日までの5日間で、万博会場のEXPOアリーナで仙台七夕まつりやすずめ踊り、青森ねぶた祭や秋田竿灯まつりなどが披露される予定です。6月14日と15日にはパレードも実施予定です。
2024年は仙台で、2025年は大阪で、東北絆まつりを楽しみましょう!