二日酔いにも美肌にも効くシジミの栄養素は?美容と健康のためのスーパーフード

4月23日の「シジミの日」を知っていますか? シジミは二日酔いに効くというイメージが強いですが、その他にも人体に必要な栄養素がたくさん入っているうえ、旨味成分も豊富で体に良いだけでなく、「おいしい」食品です。食品として優れていて、水質浄化にも役立つしじみの有用性をアピールする日がしじみの日。「シ(4)ジ(2)ミ(3)」の語呂合わせで、漁獲量の多い島根県の有限会社日本シジミ研究所によって制定されました。
今回はそんなシジミについて調べてみました!

シジミの漁獲量日本一を誇る島根県・宍道湖のヤマトシジミの記事はこちら

シジミの種類

まずは、シジミの種類から見ていきましょう。
シジミ/しじみと呼ばれているのはマルスダレガイ目シジミ科の小ぶりの二枚貝で、ヤマトシジミやマシジミ、セタシジミなどいくつかの種類があり、それらの総称となっています。
もともと日本にはヤマトシジミとマシジミ、セタシジミの3種が古くから生息し、日本人の食材として古くから親しまれてきました。かつては獲っても獲っても減らないとまで言われてきた時代があったようですが、今ではその数が激減し、地域によっては絶滅してしまったところさえ出てきている状況で、価格もずいぶんと高くなってしまいました。そして、中国などから安く輸入もされるようになり、それに混じってタイワンシジミという外来種が入り、各地でその繁殖が問題となっています。
ヤマトシジミは日本で最も一般的なシジミで、北海道から九州に至るまで全国の河川の河口など淡水と海水が入り混じる汽水域の砂礫底に生息しています。国内で流通しているシジミの99%がこのヤマトシジミだといわれています。

  マシジミ ヤマトシジミ セタシジミ
分布・生息域 淡水域(小川)、砂底 汽水域、砂泥底 琵琶湖水域、砂底
繁殖・発生 雄雌同体、卵胎生 雄雌異体、卵生、放卵放精 雄雌異体、卵生、放卵放精
浮遊期 なし 長い(3~10日) 短い(数時間)
形態的特徴 殻頂部:卵三角形、ふくらみ弱い
殻表:輪脈明らか、光沢鈍い
殻の内面:濃紫色
殻頂部:卵三角形、ふくらみ少し弱い
殻表:輪脈弱い、光沢強い
殻の内面:白紫色
殻頂部:卵三角形、ふくらみ高い
殻表:輪脈弱く広い、光沢強い
殻の内面:紫色

引用、参考:フーズリンク「旬の魚介百科 しじみ/シジミ/蜆」(最終アクセス2023年4月14日)

シジミの栄養素

シジミは低カロリーながら栄養価が高い食品です。
シジミに含まれる栄養素を挙げるときりがないので、代表的なものだけを紹介します。

肝臓の働きを助けるオルニチン

オルニチンはアミノ酸の一種で、肝臓の働きを保ち、疲労の回復を助ける役割が期待できます。肝臓はアルコールを分解する臓器なので、二日酔いに効くといわれているのはこのオルニチンが含まれているからです。
オルニチンは、シジミ・キハダマグロ・チーズなどの食材に含まれています。中でもシジミは、他の食材に比べ多くのオルニチンを含む食材です。
オルニチンは、タンパク質中に存在する多くのアミノ酸と異なり、たんぱく質とは結合せず、血液に溶け込んで体内を巡るため「遊離アミノ酸」と呼ばれています。
オルニチンの主な役割は2点あり、「オルニチンサイクルの活性化」と、「成長ホルモンの分泌の補助」です。

アルコールの分解を促進するアラニン

アラニンもオルニチンと同じくアミノ酸の一種で、筋肉や内臓の材料となります。アラニンは、遊離アミノ酸ではなく、体内のタンパク質に存在するアミノ酸です。
アラニンには、筋肉の持久力を向上させる作用やアルコールの分解を促進し肝臓を保護する役割があります。
また、アラニンは、肝臓を働かせるエネルギー源として作用し、オルニチンと同じくオルニチンサイクルを正常に機能させる役割も果たしています。

うまみ成分のコハク酸

コハク酸は貝類に多く含まれるうまみ成分です。うまみ成分は、その名のとおり人間にとって心地の良い味を感じさせる成分で、代表的なうまみ成分にはグルタミン酸やイノシン酸があります。
コハク酸には、うまみ成分としてだけでなく、がん細胞の増殖を抑制したり、脂肪の燃焼を促進したりする働きもあるといわれています。
しじみは、貝類の中でコハク酸を比較的多く含む食材です。

ミネラル

シジミは、血液の状態を正常に保つミネラル成分を豊富に含んでいます。鉄・銅・亜鉛などのミネラル成分は、貝類に豊富に含まれる成分です。なかでもシジミには特に豊富なミネラル成分があります。

ビタミンB12など

ビタミンB12は、ヘモグロビンを生成する働きがあります。ヘモグロビンは赤血球中のたんぱく質で、ヘモグロビンが不足すると貧血の症状を起こします。
ビタミンB12は魚介類に多く含まれる成分ですが、シジミはその中でも多くのビタミンB12を含む食材です。

たんぱく質

身体のエネルギー源として欠かせないたんぱく質も含まれています。

参考:Wellier株式会社「Happiness Direct しじみに含まれる栄養素とは?」(最終アクセス2023年4月14日)

参考:島根県水産技術センター「シジミの栄養」(最終アクセス2023年4月14日)

シジミ効果? “美肌県しまね”

島根県は㈱ポーラが主催する「美肌県グランプリ」で過去最多の5回グランプリを受賞しています。島根県は日照時間が短く紫外線の影響を受けにくい、年間を通して湿度が高いなどの気象条件が関係しているようですが、シジミの栄養素のひとつであるコハク酸もお肌の保湿や新陳代謝にも効果があるため、化粧水などに利用されることもあります。
コハク酸は収斂(しゅうれん)作用を持っています。収斂作用に関しては、コハク酸は酸性および親水性であり、酸性に寄せることで化学的にタンパク質収縮・凝固作用を起こすことができるためです。
この効果により肌をキメ細かく整えてくれます。肌のキメがきれいになる結果、肌が美しく見えて、化粧のノリがよくなりますので、肌荒れ予防改善・美肌効果も持っていると言われます。

また、成長ホルモンの分泌を促進するオルニチンにも肌の健康を保つ効果が期待できます。成長ホルモンはコラーゲンの合成を促進したり、肌細胞を増やしたりする作用があります。具体的には、肌の張り感アップ・肌荒れの改善・かくれジミの改善などが見込めます。

引用:小林食品株式会社「和食の旨み 貝類に含まれるうま味成分「コハク酸」の生成メカニズムと含有量アップの方法」(最終アクセス2023年4月14日)

参考:メディカル・ケア・サービス株式会社「健達ねっと オルニチンの働きと効果/健康・美肌に嬉しいオルニチン」(最終アクセス2023年4月14日)

参考:ポーラ「美肌県グランプリ2022 島根県」(最終アクセス2023年4月14日)

参考:公益社団法人島根県観光連盟「しまね観光ナビ 美肌県しまね うるおい研究室 しじみ」(最終アクセス2023年4月14日)

日本一のシジミ産地・宍道湖のヤマトシジミ

日本の三大シジミ産地といえば、茨城県涸沼(ひぬま)、青森県十三湖、島根県宍道湖です。
なかでも漁獲量日本一を誇る島根県には、宍道湖・中海という全国に例を見ない豊かな汽水域(塩水と淡水の両方から構成されている水域)があり、宍道湖のヤマトシジミは全国的に有名です。

ヤマトシジミは薄い塩分のある水域を好みます。宍道湖~大橋川にかけては塩分濃度0.3~1.0%(海水の1/10~1/3)程度で、ヤマトシジミが好む塩分濃度と一致しています。ヤマトシジミは宍道湖の環境にもっとも良く適応した生物であり、現在の宍道湖でもっとも栄えている動物といえます。調査結果では宍道湖の湖底の生物の量の99%以上をヤマトシジミが占めており、多い場所では1平方メートル当たり10kg以上(数千個以上)ものヤマトシジミが生息しています。また、宍道湖全体では5万トン(体重50kgの人なら100万人分の重さ)ものヤマトシジミがいると推定されます。

引用:島根県水産技術センター「ヤマトシジミの生態」(最終アクセス2023年4月14日)

宍道湖のヤマトシジミの生活形態

ヤマトシジミは宍道湖の砂泥の中にもぐって生活しています。通常シジミは砂泥の中から水管だけを出し、湖水を吸い込んでは吐き出しています。シジミは入水管から水を吸い込んで、えらでこしとることによって、呼吸するのと同時に水の中のエサもとります。ヤマトシジミは宍道湖の水の中に漂っている植物プランクトンなどを主に食べています。

引用:島根県水産技術センター「ヤマトシジミの生態」(最終アクセス2023年4月14日)

殻でわかるヤマトシジミの年齢

ヤマトしじみの貝殻には、輪脈と呼ばれる線(段差)があります。冬を一回越すごとに一本増えることでしじみの年齢を数えることができます。寿命はおおよそ10年程度と言われていますが、まだまだ研究中の分野で、専門家たちが解明を進めています。

引用:これを読めば「しじみの生態」がわかる。北海道のしじみ漁師が徹底解説! - しじみの特徴 | 嶋田漁業部

宍道湖のヤマトシジミの旬は夏と冬の年2回

宍道湖のシジミは通年漁獲されますが、旬は産卵のために身が肥えた7月前後の土用シジミと、1~3月の冬季に漁獲される寒シジミです。

参考:宍道湖漁業協同組合「宍道湖七珍 ヤマトシジミ」(最終アクセス2023年4月14日)

二日酔いにも美肌にも効くスーパーフード・シジミ。毎日の食事に取り入れてみてはいかがでしょうか。

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